ボー・ビシェットはこのオフ、クオリファイング・オファー(QO)を受けた最初のフリーエージェントとなった。米全国紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール氏が報じたところ では、彼はこの1年契約を拒否すると見られている。
AP通信によれば、2026年シーズンのQO額は2202万5000ドル(1ドル153円換算で約33億6982万5000円)に設定されているが、これを受け入れるケースは稀だ。2012年にこの制度が導入されて以来、QOを受け入れた選手はわずか14人しかいない。
メジャーリーグ(MLB)のトラッカーによれば、ビシェットは現地6日(木)午後5時(東部時間)の期限前にQOを受けた。彼がこれを拒否し他チームと契約した場合、ブルージェイズはドラフト指名権の補償を受け取り、獲得したチームはラグジュアリータックスの状況に応じてドラフト指名権を没収される。
最終的にはこのオフ、以下の13人の選手がQOを提示された。
- カイル・シュワーバー(フィリーズ)
- カイル・タッカー(カブス)
- レンジャー・スアレス(フィリーズ)
- フランバー・バルデス(アストロズ)
- ボー・ビシェット(ブルージェイズ)
- ディラン・シース(パドレス)
- トレント・グリシャム(ヤンキース)
- グレイバー・トーレス(タイガース)
- エドウィン・ディアス(メッツ)
- ブランドン・ワードルフ(ブルワーズ)
- ザック・ギャレン(ダイヤモンドバックス)
- 今永昇太(カブス)
- マイケル・キング(パドレス)
QOを提示された選手がQOを拒否するとドラフト指名権の補償が付いて回るため、選手の市場価値が若干狭まる可能性はある。だが、エリート級あるいはそれに近い選手にはあまり影響はない。復活を遂げ、ワールドシリーズ進出で評価を上げたビシェットはこのパターンに当てはまる。
チームは現地6日午後5時(米国東部時間)までにQOを提示する必要がある。そして選手は現地18日午後4時(米国東部時間)までにそのオファーを受諾するか拒否するかを決定する。QOを受けた選手を失ったチームは補償としてドラフト指名権を獲得し、獲得した球団は指名権を失う(ただしそのチームの1巡目最初の指名権は除外される)。ラグジュアリータックスの課税ライン付近にいる、またはすでに超えている優勝候補チームにとっては、この計算が微妙な判断材料となる可能性がある。
ナイチンゲール氏は「ビシェットは拒否するに決まっている」と見ているが、最近の報道によるとワールドシリーズ出場によりビシェットのフリーエージェント市場での評価が倍増あるいは三倍増したと予測されていることを踏まえると納得がいく。
過去の事例やMLB自身が提示する典型的な拒否パターンを考慮しても同様に思われる。いずれにせよ、最初のクオリファイング・オファーが提示されたことで、このオフのフリーエージェント市場のトップ層選手たち動き始めた。
※クオリファイング・オファーとは:2012-16年労働協約の一環として導入され、2017-21年労働協約の下で再構築された競争力均衡措置。フリーエージェントが流出した場合に補償のドラフト指名権を得たい球団は、以下の条件を満たす場合に限り、フリーエージェント期間開始前に、その球団のフリーエージェント予定選手に対し、MLBで最も高額な年俸を得ている125選手の平均年俸に相当する1年契約の「クオリファイング・オファー」を提示できる。
1. その選手が、これまでのキャリアで一度もクオリファイング・オファーを受けたことがないこと。
2. その選手がシーズン全体をその球団で過ごしていること(シーズン途中の獲得選手は対象外)。
原文:Blue Jays make $22 million move and a two-time All-Star is on the clock
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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