ジェイコブ・ウィルソンは今季、メジャーリーグ史上でも屈指のルーキーシーズンを送っているが、その事実は見過ごされがちだ。
ウィルソンには2つの不利な点があるからだ。
一つには、ウィルソンが今季オークランドを離れて、サクラメントの3Aのスタジアムで目立たないシーズンを送っているアスレティックスの選手だから。もう1つは、彼が並外れたシングルヒッターであるためだ。
今の時代、人々の注目を集めるのはホームランであり、ホームランはチケットの売り上げやソーシャルメディアのエンゲージメントに直結する。それに対してシングルヒットを積み重ねることはまるで過ぎ去った古き良き時代のような印象さえある。
しかし、長年 MLBでショートをプレーしたジャック・ウィルソン(元パイレーツほか)の息子、ジェイコブにとってはそうではない。
現地6月8日(日)の時点で、23歳のウィルソンは69 本のシングルを放ち、打率 .370 を記録している。加えて、14本の二塁打、8本のホームランもマークしており、決してパワーがないわけではない。
今のペースで打ち続ければ、ウィルソンはルーキーとしてイチロー以来初となるシーズン 200安打を達成可能だ。 MLB によれば、現在のウィルソンは 231安打に到達するペースだという。
Only 3 players in the last 60 years have logged 200+ hits in their rookie season.
— MLB (@MLB) June 8, 2025
Will Jacob Wilson be the first rookie since Ichiro in 2001 to reach this feat? pic.twitter.com/4Em1Y2X8v7
(過去60年でルーキーイヤーに200安打以上を記録した選手は3人だけ。ジェイコブ・ウィルソンは2001年のイチロー以来初、その偉業を達成するルーキーとなるか?)
確かにウィルソンは昔ながらの選手と言える。これまでの打席数246回のうち、三振を喫したのはわずか16回、選んだ四球はさらに少なく14個しかない。
打席に立ったウィルソンはボールを打つことを集中し、それを結果につなげている。所属するチームやそのプレースタイルだけで今季の彼のプレーを見逃すのはもったいない。ウィルソンはそれだけの特別な選手と言える。
原文:Athletics' Jacob Wilson is having the best rookie season in MLB since Ichiro
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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