京都競馬場・芝2200メートルで行われる秋の女王決定戦、エリザベス女王杯。3歳馬と古馬が初めて激突するこの一戦は、牝馬路線の最終章にふさわしい華やかさと、世代交代を占う重みを併せ持つ。今年は3歳勢の勢いと古馬の実績が拮抗し、例年以上に混戦ムードが漂う。
見どころ
3歳世代の注目は、パラディレーヌ。秋華賞では6番人気ながら3着と善戦し、春のオークスでも4着。折り合いに難がなく、2200メートルの距離延長もプラスに働く。京都の長い直線を生かせれば、世代代表としてG1タイトルを手にする可能性も十分だ。
対する古馬勢では、シンリョクカの近走内容が光る。前走の新潟記念はレースレベルが極めて高く、1着のシランケドは天皇賞・秋で4着、2着エネルジコは菊花賞1着、3着のディープモンスターは京都大賞典1着と、その後の活躍が目立つ。その中で、勝ち馬より1キロ重い斤量を背負いながら0.2秒差の4着に食い下がったシンリョクカも高く評価できる。牝馬限定戦なら地力は一枚上で、鋭い末脚がはまれば頂点も見える。
実績最上位はレガレイラ。昨年の有馬記念馬として3つ目のG1制覇を狙うが、牝馬限定戦では取りこぼしが多く、昨年のローズSと本レースともに5着と結果が出ていない。牡馬混合戦で見せる圧倒的な強さをこの舞台で再現できるかが焦点だ。
ステレンボッシュはルメールとの久々のコンビ復活で再浮上を狙う。2年前の阪神ジュベナイルフィリーズでは同コンビで2着。今年に入って案外な成績が続いたが、名手の手綱で蘇る可能性は十分だ。
ベテラン勢では4年連続出走のライラックが怖い存在。阪神開催だった2022年に12番人気で2着の実績を持つ。さらに、2戦連続で重賞2着のココナッツブラウンも安定感があり、展開ひとつで上位進出の可能性がある。
予想
波乱含みのメンバー構成だが、軸に据えるべきはシンリョクカ。勝ち切るタイプではないが、どんな展開でも自在性のある脚で確実に上位に食い込む。今回は“2着固定”こそ妙味がある。相手には、勢いあるパラディレーヌ、実績上位のレガレイラ、名手ルメールのステレンボッシュ、そして伏兵ライラック、ココナッツブラウンを選びたい。展開次第でどの馬が勝ってもおかしくない一戦だ。
買い目
3連単：シンリョクカ2着固定流し（計20点）
2着：（3）シンリョクカ
1着・3着：（1）パラディレーヌ、（2）ステレンボッシュ、（7）レガレイラ、（12）ライラック、（13）ココナッツブラウン
“勝ち切れずとも崩れない”安定感に賭けるシンリョクカ軸のフォーメーション。展開が向けば、パラディレーヌの初G1制覇や、ライラックの激走にも十分にチャンスがある。女王の座を懸けた2200メートルは、精緻な末脚勝負で幕を開ける。
エリザベス女王杯2025概要
- レース名（グレード）：第50回エリザベス女王杯（G1）
- 開催日：日本時間2025年11月16日（日）
- 発走時刻：15時40分
- 競馬場：京都競馬場（京都府京都市伏見区）
- 距離：芝2200m
- 条件：3歳以上 オープン（国際）牝（指定） 定量
エリザベス女王杯2025の出走馬と枠順
枠・馬番／馬名／性齢／負担重量／騎手／厩舎
- 1枠1番／パラディレーヌ／牝3／54.0／岩田望来／千田輝彦（栗東）
- 1枠2番／ステレンボッシュ／牝4／56.0／C.ルメール／国枝栄（美浦）
- 2枠3番／シンリョクカ／牝5／56.0／木幡初也／竹内正洋（美浦）
- 2枠4番／カナテープ／牝6／56.0／D.レーン／堀宣行（美浦）
- 3枠5番／サフィラ／牝4／56.0／西村淳也／池添学（栗東）
- 3枠6番／エリカエクスプレス／牝3／54.0／武豊／杉山晴紀（栗東）
- 4枠7番／レガレイラ／牝4／56.0／戸崎圭太／木村哲也（美浦）
- 4枠8番／ヴェルミセル／牝5／56.0／鮫島克駿／吉村圭司（栗東）
- 5枠9番／ボンドガール／牝4／56.0／津村明秀／手塚貴久（美浦）
- 5枠10番／セキトバイースト／牝4／56.0／浜中俊／四位洋文（栗東）
- 6枠11番／フェアエールング／牝5／56.0／丹内祐次／和田正一郎（美浦）
- 6枠12番／ライラック／牝6／56.0／藤岡佑介／相沢郁（美浦）
- 7枠13番／ココナッツブラウン／牝5／56.0／北村友一／上村洋行（栗東）
- 7枠14番／ケリフレッドアスク／牝3／54.0／岩田康誠／藤原英昭（栗東）
- 8枠15番／オーロラエックス／牝4／56.0／松山弘平／杉山晴紀（栗東）
- 8枠16番／リンクスティップ／牝3／54.0／C.デムーロ／西村真幸（栗東）
✍️この記事はいかがでしたか？ 読後のご意見・ご感想をぜひお聞かせください
