PGAツアーの2025年シーズンは、今週末にアトランタで開催されるツアー選手権で幕を閉じる。今大会ではツアー上位30選手が激戦を繰り広げる。
PGAツアーは2025シーズンにおけるチャンピオンの決定方法について、昨年までとは異なるフォーマットを採用することを決定していた。この変更により、フェデックス・カップ・ランキングで現在1位に立つスコッティ・シェフラー(アメリカ)は、昨シーズンまでのようなアドバンテージを得られなくなった。
PGAツアーがフォーマットを変更した理由は、真のツアーチャンピオンを決定するための最適な方法を探求する取り組みの一環となっている。ここでは、PGAツアーが年間最終戦の大会フォーマットを変更した理由を解説する。
ツアー選手権のフォーマット変更の内容と理由
2019年から2024年までツアー選手権では『スターティング・ストローク』を採用し、出場選手はフェデックス・カップの順位に応じてアドバンテージが与えられていた。
昨年を例にとれば、優勝したスコッティ・シェフラーはランキング1位だったことからスタート時点で『-10』のアドバンテージを手にしていた。以下、2位が『-8』、3位が『-7』とイーブン・パーまで段階的にアドバンテージを減らしていく形がとられていた。
2025年大会ではこの『スターティング・ストローク』が変更され、出場選手全員がイーブン・パーでスタートする形式に戻った。PGAツアーは5月、トーナメント全体の競争力を高めるための措置としてこの変更を発表している。
「我々の『ファン・フォワード・イニシアチブ』は、PGAツアーのシーズン全体を評価する上で役立ちました。本日の発表は、ポストシーズンの進化における重要な第一歩です」と、PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン氏は発表時に語っていた。
「プレーヤー諮問委員会は、ファンが求めるものに応えるため、徹底したプロセスを進めてきました。それは、世界最高峰の競争力、最高レベルの賞金、最もシンプルで魅力的なフォーマットによるゴルフの実現です」
この変更に加え、PGAツアーは今回、イーストレイク・ゴルフクラブのコースを過去より難易度を上げている。出場資格は変更されないが、PGAツアーはこれについても分析を行うとしている。昨年『スターティング・ストローク』の恩恵を受けたシェフラーは、PGAツアーの決定に同意した。
「自分たちは、ツアー選手権を出場権を獲得するのが最も難しいトーナメントに、フェデックスカップのトロフィーを最も獲得が難しいものにしたい」とシェフラーは語った。
「ツアー選手権をよりストレートな形式に変更し、コースの難易度を高めることで、ファンはより興味を持ちやすくなり、選手たちにとってはより挑戦的な試練となる。最高の戦いが繰り広げられるだろう」
ツアー選手権の出場選手は?
フェデックスカップ・ランキングの上位30選手が、PGA ツアーチャンピオンシップの優勝を目指してアトランタで対戦する。今年のトーナメントに出場する 選手30名をまとめる。
フェデックスカップ・ランキング | 選手 |
1. | スコッティ・シェフラー |
2. | ロリー・マキロイ |
3. | J.J.スポーン |
4. | ジャスティン・ローズ |
5. | ロミー・フリートウッド |
6. | ベン・グリフィン |
7. | ラッセル・ヘンリー |
8. | セップ・ストラカ |
9. | ロバート・マッキンタイア |
10. | マーベリック・マクニーリー |
11. | ハリス・イングリッシュ |
12. | ジャスティン・トーマス |
13. | キャメロン・ヤング |
14. | ルドビグ・オーベリ |
15. | アンドリュー・ノバク |
16. | キーガン・ブラッドリー |
17. | サム・バーンズ |
18. | ブライアン・ハーマン |
19. | コリー・コナーズ |
20. | パトリック・カントリー |
21. | コリン・モリカワ |
22. | ビクトル・ホブラン |
23. | 松山英樹 |
24. | シェーン・ローリー |
25. | ニック・テイラー |
26. | ハリー・ホール |
27. | ジェイコブ・ブリッジマン |
28. | イム・ソンジェ |
29. | クリス・ゴッターアップ |
30. | アクシェイ・バティア |
ツアー選手権の賞金
ツアー選手権の優勝者は、2位の2倍にあたる1000万ドル(1ドル148円換算で約14億8000万円)を獲得する。残りの賞金は30位までの選手に分配され、30位の選手は35万5000ドル(約5254万円)を獲得することになる。
原文:Tour Championship format change, explained: Why final leg of FedEx Cup playoffs no longer uses starting strokes
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)