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オリンピックのボクシング競技、2028年ロス五輪でも実施の方向へIOCが提案

Tom Naghten

石山修二 Shuji Ishiyama

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IOCが2028年にロサンゼルスで開かれる次のオリンピックにボクシング競技を含めるよう提案したことで、ボクシングのオリンピックでの未来はひとまず命拾いしたようだ。

IOCと国際ボクシング協会(IBA)の対立により、オリンピックにおけるボクシング競技の将来が危ぶまれていたが、その後、新たな統括団体であるワールド・ボクシングが設立され、IOCに承認された。

IOCのトーマス・バッハ会長は、2028年のロサンゼルスオリンピックでのボクシング競技の実施が承認されたことを認めたものの、現地19日(水)にギリシャで始まる予定の次回のIOC総会での最終承認が必要であると説明した。

「この勧告はもちろん総会に提出されなければなりませんが、承認されるものと私は確信しています。そうすれば、世界中のボクサーたちがロサンゼルスオリンピックに参加できるようになるでしょう」とバッハ氏は総会を前にして語った。

1912年大会を除いて、ボクシングは1904年以降すべてのオリンピックで実施されてきた。

そのガバナンスや財務面の問題点をめぐり、ロシア主導のIBAと対立したことで、IOCは彼らを資格停止処分とし、東京五輪とパリ五輪でのボクシング競技の開催には同意したものの、2026年大会以降については各国連盟に新たな統括団体への加盟を指示していた。

ワールド・ボクシングのボリス・ファン・デル・ヴォルスト会長は、IOC理事会の勧告に感謝の意を表した。

「これはオリンピックのボクシング競技にとって非常に意義深く重要な決定であり、このスポーツがオリンピックのプログラムに復帰する一歩となります」とファン・デル・ヴォルスト会長は述べた。

「ボクシングに関わるすべての人々、すなわち、オリンピック・ムーブメントの一員であり続けることがボクシングというスポーツの将来にとって極めて重要であることを理解している世界中のあらゆるレベルのボクシングに関わる人々から、非常に前向きな反応が得られるものと確信しています」

「ワールド・ボクシングの全員を代表して、私たちの組織に寄せられた信頼に感謝いたします。また、今週開催されるIOC総会で前向きな結果が得られることを期待しています」

「ワールド・ボクシングは、オリンピック競技大会の一部となることは特権であり、当然の権利ではないことを理解しています。そして、IOCに対して、ボクシングが2028年のロサンゼルスオリンピックに競技として復活するのであれば、ワールド・ボクシングはオリンピック憲章の価値を遵守し、支持する信頼のおけるパートナーとなることを約束します」

現在、アメリカ、中国、英国など80を超える国がワールド・ボクシングに加盟している一方、ロシアのようにいまだ加盟していない国もある。

パリ・オリンピックでは、金メダルを獲得したボクサー、イマネ・ケリフとリン・ユティンが女性として競技に参加する資格があったかについて激しい議論が交わされ、IBAの大きな影響力が浮き彫りとなった。

この2人は、IBAが管轄する以前の大会で出場停止処分を受けており、IBAはケリフとユティンが『IBA女子競技の参加資格基準を満たしていないことを決定的に示した』検査を実施したと述べていた。

これに対し、IOCは自らの基準に従って両選手の出場資格を認めたが、IBAはこれに反する証拠を提示できなかった。

次のステップとして、ワールド・ボクシングには女子ボクシング競技の出場資格基準に関する規則を見直し、更新することが期待されている。

原文:Boxing given IOC board tick of approval for Los Angeles 2026 Olympics
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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