『The Ring IV: Night of the Champions』で行われる4つの世界タイトルマッチに6つのベルトが賭けられていることからも、この大会に出場する選手たちのレベルの高さが分かるはずだ。
8人のボクサーの戦績は合わせて193勝、黒星はわずかに3つしかない。その3敗はすべて、メインイベントでWBCライトヘビー級王者 デビッド・ベナビデス(アメリカ)に挑戦する アンソニー・ヤード(イギリス)のものだ。
アメリカン人同士による対戦では、デビン・ヘイニー が(アメリカ)WBOチャンピオン、ブライアン・ノーマンJr.(アメリカ)と対戦し、新星 アブドゥラ・メイソン(アメリカ)と サム・ノークス(イギリス)が、空位となっているライト級タイトルを争う。
そして、パウンド・フォー・パウンド(PFP)のスター、ジェシー・『バム』・ロドリゲス がWBA王者 フェルナンド・マルティネス と対戦し、自身の持つWBC/WBOスーパーフライ級タイトルに新たな勲章を加えようとしている。
ここでは、この『The Ring IV: Night of the Champions』の4つの世界戦の参考オッズ・勝敗予想を紹介する。
ベナビデス vs ヤードの参考オッズ、勝敗予想
大手ブックメーカー『FanDuel Sportsbook』によれば、『-1200』でデビッド・ベナビデスが優勢、アンソニー・ヤードは『+680』のアンダードッグとなっている。
- KO/TKOによるベナビデスの勝利:-165
- 判定によるベナビデスの勝利: +185
- KO/TKOによるヤードの勝利:+900
- 判定によるヤードの勝利: +1600
- ドロー: +2500
ベナビデスとヤードのいずれも、この175ポンドの対決が「撃ち合い」になる可能性を否定していない。これは明白だろう。両者ともここまでキャリア通算24回のノックアウトを記録しているボクサーだ。
ただし、スーパーミドル級から階級を上げた後の2試合も含めベナビデスは直近4試合のうち3試合でフルラウンドまで持ち込まれたている。一方のヤードも過去2度の世界タイトル挑戦――セルゲイ・コバレフとアルトゥール・ベテルビエフ戦――では、型破りで強打で両名を追い込んだが、最終的に力尽きた。
ライトヘビー級に転校したばかりのベナビデスは痩せこけ、体重制限に苦戦しているとみられている。これはヤードにとって朗報かもしれないが、ベナビデスが長引く試合を避けようとさらに奮起する可能性もある。
もし両者が火花を散らして激突すれば、互いに成功を収めてきた両者ゆえに熱戦となるだろう。しかしベナビデスの素早い動きと豊富なパンチバリエーションが、中盤以降にのタイトル防衛を確実なものにするはずだ。
スポーティングニュースの予想:ベナビデスのTKO勝利

ノーマンJr. Vs ヘイニーの参考オッズ、勝敗予想
大手ブックメーカー『FanDuel Sportsbook』は、ブライアン・ノーマンJr.とデビン・ヘイニーをイーブンと評価、両者のオッズを『-112』としている。
- KO/TKOによるノーマンJr.の勝利:-210
- 判定によるノーマンJr.の勝利: +310
- KO/TKOによるヘイニーの勝利:+900
- 判定によるヘイニーの勝利: +115
- ドロー: +1500
公式には―そしてあの週に起きた全てのことを考えれば当然ながら―ヘイニーは無敗のファイターであり続けている。だがこの興味深いタイトルマッチに向け、未知数なのは、三階級制覇を目指す男がライアン・ガルシアとの騒動でどれほどのものを失ったかだ。2024年4月の論争に満ちた因縁の対決では、ヘイニーは序盤の左フックで深刻なダメージを受け、7回、10回、11回とガルシアの強力なパンチから逃れられずダウンを喫した。
「キング・ライ」ことガルシアは、3.25ポンドの体重超過で臨んだ試合でマジョリティ・デシジョンによる勝利を収めた。だが試合後のドーピング検査で陽性反応が出たため、公式の判定はノーコンテストに変更された。ヘイニーは5月、ホセ・カルロス・ラミレスとのこれといった見どころもない試合に12ラウンドで勝利で下し、復帰を果たした。ガルシアとの試合とはまったく異なるものだったが、見ようによってはサンフランシスコ出身のヘイニーが攻撃を恐れているようにも思われた。
もしヘイニーにガルシア戦での心の傷が残っているなら、ノーマンJr.はそれを露呈することのできる男だ。24歳のノーマンJr.は、佐々木仁をアウェイでKOした試合を経てこの試合に臨み、147ポンドでの同胞の力量を試すことになる。ヘイニーが昔の魔法を取り戻すことができれば、賢いボクシングで3階級制覇を達成できるかもしれない。しかし、好調なノーマンJr.がヘイニーを再びキャンバスに沈め、接戦の末、ポイントで勝利するだろう。
スポーティングニュースの予想:ノーマンJr.の判定勝利

時事
『バム』ロドリゲス vs マルティネスの参考オッズ、勝敗予想
大手ブックメーカー『FanDuel Sportsbook』によれば、『-1200』でジェシー・『バム』・ロドリゲスが優勢、フェルナンド・マルティネスは『+670』のアンダードッグとなっている。
- KO/TKOによるロドリゲスの勝利:-240
- 判定によるロドリゲスの勝利: +290
- KO/TKOによるマルティネスの勝利:+900
- 判定によるマルティネスの勝利: +1600
- ドロー: +1900
この試合は、2023年12月にフライ級でサニー・エドワーズを相手にロドリゲスが達成した見事な統一戦勝利を彷彿とさせる。マルティネスもまた技術的に優れた無敗のチャンピオンだが、KOを奪うパワーに欠けている。
ロドリゲスは攻撃的なカウンターパンチと絶妙な技術を兼ね備えた最高のテクニシャンであり、対戦相手にとっては悪魔のような難題だ。彼はエドワーズに体を起こし、打ち合う以外の選択肢を与えなかった。それこそ拳にダイナマイトを秘めている『バム』がが望む戦い方である。
この試合も『バム』が最終ラウンドまでに相手を仕留めるだろう。彼を真に成長させる二は、バンタム級に目を向ける必要があるかもしれない。
スポーティングニュースの予想:『バム』ロドリゲスのTKO勝利

(Melina Pizano/ Matchroom Boxing)
メイソン vs ノークスの参考オッズ、勝敗予想
大手ブックメーカー『FanDuel Sportsbook』によれば、『-430』でアブドゥラ・メイソンが優勢、サム・ノークスは『+300』のアンダードッグとなっている。
- KO/TKOによるメイソンの勝利:-115
- 判定によるメイソンの勝利: +220
- KO/TKOによるノークスの勝利:+420
- 判定によるノークスの勝利: +1100
- ドロー: +1500
早熟なサウスポーのメイソンはエリートレベルへの階段を急速に上り詰め、わずか21歳で世界チャンピオンの座に就こうとしている。
ノークスの方が7歳年上だが、プロ戦績はメイソンの19戦に対しノークスは17戦と2試合少ない。両者とも対戦相手のうち2人を除く全員をノックアウトしている。
両者のスタイルが噛み合えば、「激しい打ち合い」という表現が当てはまる試合になるかもしれない。メイソンはNABF王座を返上してこの試合に臨み、ノークスは英国王座、コモンウェルス王座、欧州王座を獲得する伝統的なルートを歩んできた。
ノークスは非常に優れたファイターであり、そのキャリアは注目に値する。しかしメイソンには特別な何かがあり、そのスピードとパンチを見極める眼にはリヤドで存在感を示す予感が感じられる。
スポーティングニュースの予想:メイソンのTKO勝利
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原文:Dom Farrell's boxing betting tips: Benavidez, Haney and Bam feature in Ring IV predictions, odds and best bets
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

