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「レバノン戦のようなことは起きない」…悪夢を見たバスケ日本代表・富永啓生がW杯アジア予選で雪辱を期す

及川卓磨 Takuma Oikawa

「レバノン戦のようなことは起きない」…悪夢を見たバスケ日本代表・富永啓生がW杯アジア予選で雪辱を期す image

Takuma Oikawa

屈辱のアジアカップからの再起

5人制男子バスケットボール日本代表は、今月下旬から始まるFIBAバスケットボール・ワールドカップ2027アジア1次予選に臨む。チームは11月19日、東京都内で行なっている直前合宿の練習をメディアに公開し、練習後、富永啓生(レバンガ北海道)が囲み取材に応じた。

2023年のワールドカップ、2024年のパリオリンピック、そして8月のFIBAアジアカップとすでに日本代表の常連となっている24歳のシューターは、今後はもう「レバノン戦のようなことは起きない」と断言した。

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富永の言う「レバノン戦」とは、8月のアジアカップのことだ。

およそ3か月前に開催されたアジア王者決定戦で、日本は予選グループ2位となり、レバノン代表との準々決勝進出決定戦に臨むこととなった。だが、その試合に先発した富永は、相手の徹底マークに遭って沈黙。それまでのグループフェーズ3試合では平均20得点をマークしていたが、この日はフィールドゴール9本中8本失敗の7得点に抑え込まれ、さらにチームも73-97で敗れてベスト8進出を逃すという、悪夢のような結果となった。

その後、富永はそれまでのアメリカでの生活から日本に拠点を移し、Bリーガーとしてデビュー。Bリーグ開幕から1か月半ほどの時を経た今、Bリーガーとして初の日本代表合宿に臨んでいる。

11月28日に始まるW杯予選に向けては、「すごく大事な、負けられない戦いになると思いますし、自分としてもすごく気合が入っています」と語り、Bリーガーから日本代表選手への気持ちの切り替えはすでに完了している様子だ。

「日本のバスケットボールのレベルアップにおいてもすごく大切な試合になるので、選ばれたからには気を引き締めてがんばりたいなと思います」

気持ちはすでにW杯予選に向いているとはいえ、アジアカップで味わった悔しさも決して忘れてはいない。富永は夏に負った痛みをW杯予選という新たな国際試合の舞台で癒やす準備を整えている。

「これから先、国際大会でもBリーグでも、フェイスガードとか自分に対する当たりが厳しくなることは多くなってくると思います。その中で、個人としてどうやって打開するのかということをしっかりした上で、(代表に来てからも)チームでどう打開するかということを考えることで、ああいうレバノン戦みたいなことは起きないんじゃないかと思います」

「代表でやっていくうえで、すべての試合に勝ちたいですし、負ける試合はやっぱり悔しい。今は最後の試合(レバノン戦)がそういうふうに負けで終わってしまっているので、(W杯予選で)その悔しさを晴らせたらと思っています」

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「日本に富永あり」というところを見せられるか

高校卒業から昨季まで、ネブラスカ大などの大学リーグ、NBA Gリーグとアメリカでプレイし、今季Bリーグデビューを果たした富永にとって、今回の代表活動は新たな経験の場でもある。リーグ戦の最中に代表活動に参加するのは初めてだからだ。だが、その点については特に懸念はないようだ。

「ここ6年くらいアメリカでやっていて、夏しか代表合宿に参加していなかったのですが、自分としてはいつでも代表でプレイできることは嬉しいことで、すごく楽しみにしています。この試合がどれだけ大事かということはわかっているので、自分も貢献できたら嬉しいですし、勝利に導けるようにがんばりたいと思います」

リーグ戦と代表活動の切り替えの難しさについても、「自チーム(レバンガ)と代表では求められることが違いますが、そこは対応できると思います」と言い、「求められることを100%、120%出していけるようにがんばりたい」と苦にする様子はない。

「もちろん3ポイントシュートがメインで代表で求められるところなので、そこは積極的にしっかり確率よく決めていくことはもちろんです。それ以外のところでは、オフボールの動きで2人、3人と相手を引き付ける力が自分にはあると思うので、そういう部分でも貢献していけたらと思っています」

今回のW杯予選は、富永にとってBリーガーとして初の代表戦であり、アジアカップの屈辱を晴らす絶好のチャンスでもある。11月28日にジーライオン・アリーナ神戸、12月1日に敵地で行われるチャイニーズ・タイペイとの2試合で、「日本に富永あり」というところを見せられるか、注目だ。

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