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【高校バスケ】土浦日大・佐藤豊文HCインタビュー「全国優勝目指して…」|7年連続ウインターカップ出場決めた茨城県予選2025決勝つくば秀英戦を振り返る

及川卓磨 Takuma Oikawa

【高校バスケ】土浦日大・佐藤豊文HCインタビュー「全国優勝目指して…」|7年連続ウインターカップ出場決めた茨城県予選2025決勝つくば秀英戦を振り返る image

Takuma Oikawa

土浦日大がウインターカップ茨城県予選7連覇達成

10月26日(日)、高校バスケットボール選手権(ウインターカップ2025)茨城県予選会の男子決勝が行われ、土浦日大がつくば秀英に87-71で勝利 し、優勝を果たした。これにより、土浦日大は同大会7連覇を達成。12月23日に開幕するウインターカップ全国大会への出場を決めた。

7年連続で同じ顔合わせとなった試合は、第3クォーターを終えて3点差という接戦となったものの、第4クォーターのディフェンスとインサイドでの得点が光り、土浦日大が勝負を制した。

7年連続のウインターカップ出場権を獲得した試合後、土浦日大の佐藤豊文ヘッドコーチに試合を詳しく振り返ってもらうとともに、2か月後に迫るウインターカップ全国大会に向けての抱負を聞いた。

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つくば秀英の3年生が最後に意地を見せた

――試合を振り返ってみて。

佐藤HC: みんな頑張ったと思います。プラン通りには行かなかったですけど、プランに近い形にはなりました。プラン通り行かなかったのは、やはり秀英の3年生が最後に意地を見せたので、そこはしょうがないかなと。

――今日のゲームプランは?

佐藤HC: やっぱり失点を抑えないと勝てないので。60対75くらいで勝てるんじゃないかと踏んでいたんですけど、70点取られてしまいました。いくつか余計な3ポイントとかがあったのでね。そこはもうしょうがないかなとも思うんですけど、概ね、思い描いていたような試合展開にはなったかなという感じです。

――前半の折り返しスコアは土浦日大の36-35だったが、これは想定内?

佐藤HC: 想定内ですね。だいたいそのくらいのイメージでした。

――後半が勝負という感じだった?

佐藤HC: そうですね。もうちょっと、40点くらい取れていたら楽だったんですけど、うちのペースという感じではありました。相手を前半30点くらいに抑えられていたらよかったんですが、5点くらい取られすぎでしたね。まあ、そううまくいかないのでね。

後半も相手を30点以内に抑えられなかった(36失点)ので、そこは少し反省して、次につなげたいなと思います。とはいえ、概ねプラン通りです。相手の失点をこれくらいに抑えて、うちが最後にちょっと抜けられればいいな、という感じでした。

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決勝戦の勝因は渡邊脩希のゴール下の強さと粘り

――相手は3ポイントショットを多用してきていたが、これも想定内?

佐藤HC: そうですね。逆にいうと、そこさえ抑えればなんとなる、という部分でもありました。もうちょっと抑えられたかなと思うんですけど、ディフェンスの連携ミスが何本かあったのでね。終盤に進むにつれてそこを修正できたので、最後はじりじり(点差が)開いた、という感じですね。

――インサイドを固めて、ゾーンディフェンスで対策した?

佐藤HC: ゾーンというか…話すと長くなってしまうんですが、要するに、ゾーンのシステムとして、ボールがトップにあるときはこういう付き方、45度にあるときはこういう付き方、っていうのをちゃんと修正できたので、そこがよかったですね。それが、最後にうまくいったということです。

――今日の試合の一番の勝因を挙げるとすれば?

佐藤HC: ゲームの中でいうと、やっぱり5番の渡邊脩希がずっと、1試合を通して下を向くことなくゴール下で戦い続けたことですよね。最後、23番の(飯田)渚颯が絡んだのも、ハルキがいるから絡めるわけで。とにかくあそこまで持っていったのはハルキなんでね。ちょっと足をひねったときはマズいなと思ったんですが『やります』って言ったんで、テープを巻いて使っちゃいましたけど。勝因がどこかと言われたら、渡邊脩希のゴール下の強さと粘りでしょうね。

――高さでは秀英に上回っていたので、その部分で最後に差が出たという感じ?

佐藤HC: 出ましたね。ずっとくじけず攻め続けたというか、守り続けたというか。そこだけは死守して1試合通せたんじゃないかなと思います。

高校バスケ 土浦日大 渡邊脩希 102625 Haruki Watanabe

Takuma Oikawa

21番の渡部駆流をこの予選で使えたというのが最大の勝因

――選手起用の面で、交代を多用していた。印象的だったのは10番(大野蓮)と11番(青井遙臣)の1年生、7番(藤原輪太朗)と21番(渡部駆流)の3年生を頻繁に変えていたが、この意図は?

佐藤HC: 要するに、21番(渡部)が当初はキャプテンで、1年生の時からずっと使ってきた選手なんですけど、春に前十字をやっちゃったんですよ(左膝前十字靭帯断裂)。それで今年のチームプランが全部ぶち壊れてしまったんです。オペから7か月で復帰って相当努力しないとできません。普通だったら7か月でやっと走り出せるくらいなので、とんでもなくリハビリをがんばったんですね。簡単に言えば、その彼をこの予選で使えたというのが最大の勝因です。

1年のときから信頼して使っていた選手なので、関東、インターハイと彼がいなかったのは正直厳しかったです。それと同時に、その間に10番(大野)、11番(青井)の1年生を使ってきました。5~6月はまだ『中学生』だったんですけど(その後大きく成長して)、本当に立派でした。

――特に10番の大野選手は第4クォーターにブロックショットだったり連続得点だったりと活躍が目立った。夏からの成長を感じる?

佐藤HC: そうですね。あとは、本当に何度も言うようですが、21番(渡部)が復活してくれたというのが、私の中では一番大きいです。ただ、ほかにも4番(夏目悠良)も5番(渡邊)も7番(藤原)も、3年生が本当に意地を見せてくれました。特に5番のハルキなんて、最後ゴール下であれだけ活躍してくれたのでよかったです。

――23番の飯田選手も最終クォーターで調子を上げてきた感じでしたが、それまで5番の渡邊選手がしのいでくれたり、セカンドチャンスを決めきってくれたりしていた。

佐藤HC: おっしゃるとおり。大きかったです。

――21番の渡部選手の復帰はいつだった?

佐藤HC: コート復帰は10月9日ですね。8月までリハビリして、病院の先生に許可をもらって、9月から走ったりジャンプを始めて、9月の後半くらいには9割くらいダッシュできるようになりました。10月1日から8日まで私が国スポ(国民スポーツ大会少年男子バスケ茨城県代表監督)でいなかったので、9日の練習までは我慢させて、そこから徐々に(負荷を)上げていったという感じです。彼が戻ってきたおかげで、チーム全体のメンタル的にも安定しましたね。

――21番の渡部選手は今季ずっとキャプテンをやっていた?

佐藤HC: いえ、彼はもう怪我で半年以上いなかったので、キャプテンは4番の夏目にやってもらっています。夏目もそれで自覚が付いたと思います。キャプテンをやったことで、歯を食いしばって嫌なこともがんばれるようになったんじゃないかな。

高校バスケ 土浦日大 渡部駆流 夏目悠良 青井遙臣 横山喜也 102625

Takuma Oikawa

ウインターカップ優勝を目指してがんばる。それだけの力はある

――今シーズンの県内タイトルはつくば秀英がずっと勝っていた(関東新人、関東大会、総体でいずれも土浦日大を破って優勝)が、今大会の連覇(ウインターカップ県予選7連覇達成)を途絶えさせなかった。これについては?

佐藤HC: これは言い方が難しいんですけど、正直、選手はうちのほうが揃っていると思います。だから、私が足元を見ないで、先ばかり見てチームを大型化してみたり、いろいろチャレンジしたっていうのがダメだったかなと思います。秀英さんも今年は力があったのですが、それでもなんとか大丈夫かなと思っていたところ、うまくいかなかった。だから、選手には申し訳なく思っています。

やっぱり全国大会には留学生がいっぱいいるので、もう一枚大きい子が入ってこないとなかなか勝てないのでね。そこばかり見てしまった私の責任をすごく感じています。5月に『これではインターハイには行けない』と思ってチームを変えたんですけど、そこから1か月じゃなかなか難しくて。最後は選手ががんばってくれて勝てましたけど、本当はインターハイも勝ちたかった。勝たせられなかったのはすごく反省しています。

――そういった思いも抱いて最後のウインターカップに臨む意気込みは。

佐藤HC: 今年のインターハイで上位に来ているチームとやっても遜色ないので、やっぱりうちも強いんです。あと2か月あるので、もう一回鍛え直して、優勝を目指してがんばります。それだけの力はあるのでね。21番(渡部)もあと2か月あればここからさらにコンディションが上がってくるので期待しています。今で8割くらいですから。

※試合後の囲み取材における一問一答。読みやすくするため質疑の順番や言葉の表現に最小限の編集を加えています。

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Chief Editor - Japan

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