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【Bリーグ】第1Qで16得点の爆発力! 5季ぶりにCS出場を狙うサンロッカーズ渋谷の新戦力ディディ・ロウザダから目を離すな!

牧野豊 Yutaka Makino

【Bリーグ】第1Qで16得点の爆発力! 5季ぶりにCS出場を狙うサンロッカーズ渋谷の新戦力ディディ・ロウザダから目を離すな! image

©︎Yutaka Makino

ホーキンソン(左)とハイタッチするSR渋谷のロウザダ

サンロッカーズ渋谷が本拠地・青山学院記念館で迎えた2025-26シーズンのB1開幕節(10月4日、5日)・秋田ノーザンハピネッツ戦を76対69、86対69と2連勝。秋田はケガ人などで万全なロスターではなかったが、渋谷は新加入の外国籍3人がチームプレーの中で攻守ともに存在感を発揮し、幸先の良いスタートを切った。

中でも強烈なインパクトを残したのが先発スモールフォワードを務めた196cmのディディ・ロウザダだった。

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圧巻だったのは2戦目。試合開始30秒でコーナーからブラインドカットでボールを受けてチーム初得点となるダンクを強烈に叩き込むと、「ベンチにいるチームメートが盛り上がっているのを見て、今日は俺の日だ! と思った」。その後は“止まらない、止められない”ゾーン状態となり、ミドル、3ポイントのジャンプショットにドライブと多彩な攻めでフィールドゴール9本中7本を成功(3ポイント4本中2本成功)させ、第1クォーター、6分17秒のプレータイムだけで16得点をマーク。チームも31対10と大差をつけ、秋田の前田顕蔵ヘッドコーチも「第1クォーターがすべてだった」と脱帽の、勝負の流れを決める牽引車となった。

初戦でチーム3番手の12得点をマークしBリーグデビューを飾ったロウザダはこの日、最終的には27得点、6リバウンド、5アシスト、1ブロックショットをマーク。笑顔が印象的な26歳は「昨日の試合よりも良い部分がたくさん増えたと思います。エナジーを持ってプレーできたし、こういう戦い方をチームのアイデンティティとしてシーズン通して戦えればいいのかなと思っています」と、まずはチームの勝利について振り返った。

第1クォーターだけで16得点をマークしたことについては、「ブラジルリーグでプレーしていたときに20点ぐらい取った記憶もあるけど、それでも今日の第1クォーター16得点は(自分の中でも)トップクラスに入るプレーだった」と納得の表情を浮かべた。

背番号0、チーム内ではファーストネームの「ディディ」の愛称で親しまれるロウザダは、八村塁(現ロサンゼルス・レイカーズ)が1巡目9位で指名を受けた2019年NBAドラフトで2巡目35位の選手(アトランタ・ホークスから指名)。その後、オーストラリアリーグ(NBL)、NBAではニューオリンズ・ペリカンズやポートランド・トレイルブレイザーズ、Gリーグを経て昨季はブラジルリーグのセジ・フランカでプレー。ファイナルではファイナルMVPに輝く活躍でチームのリーグ優勝に貢献し、日本にやって来た。

また、ブラジル代表としてパリ五輪のコートにも立ち、予選リーグ最終戦の日本戦にも出場(6分、2得点)。その時、対戦した渋谷の大黒柱、ジョシュ・ホーキンソンのことは強く印象に残っており、現在は日本での生活面も含めてさまざまなアドバイスをもらう頼れる存在だという。

「彼は本当にいいリーダーです。今日の試合後、『今日のようにホットだったら、どんどん打っていっていいんだよ』というふうに言ってくれました。Bリーグのこと、日本での生活のことも教えてくれます。実際にこのチームに加わることが決まったとき、彼がいるチームということですごくワクワクしていました。今一緒にプレーできているところもすごくうれしく思っています」

NBAにドラフトされて以降、どのリーグでプレーするにしてもオフシーズンは米国フロリダでスキルコーチに付いてトレーニングを積み、年々1対1に磨きをかけている。この夏もBリーグデビューに向けて、「必要なスキルを身につけてきた」という。

今シーズンのBリーグは、開幕節でリーグトップの1試合平均27.5得点をマークしたスタンリー・ジョンソン(長崎ヴェルカ)を筆頭に、かつてのNBAドラフト1巡指名選手が複数コートに立っている。そんなハイレベルな外国籍選手が集うなか、ロウザダも負けじと自身の存在価値をBリーグ全体にアピールしていく意欲を見せる。

「今日みたいに “ホット”になるのは簡単なときは本当に簡単ですし、そうなってくるとやっぱり止めるのは難しい選手だと、自分では思っています。今日のようなパフォーマンスをして、皆さんに自分の存在をわかってもらえたらと思います」

サンロッカーズ渋谷は今年でクラブ創設90周年を迎え、渋谷を本拠地とする最後のシーズンという節目の時を迎えている。昨シーズン終盤から指揮をとるカイル・ベイリーヘッドコーチ体制で迎える実質最初のシーズンでもあり、まずは過去4シーズン遠ざかっているCS出場を当面の目標としている。

長いシーズンは始まったばかりだが、第2節(10月11日、12日)の対戦相手は躍進著しい昨季CSベスト4の三遠ネオフェニックス。相手のホームに乗り込んでの2連戦となる。果たして強豪相手に、ロウザダがどのようなプレーを見せるのか。注目である。


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牧野豊 Yutaka Makino

東京・神田生まれの神田育ち。上智大学卒。1993年から約30年間、スポーツ専門出版社で雑誌・書籍・ウェブ媒体の取材・原稿執筆・編集全般に携わる。その間、バスケットボール(NBA含む)、アメフト(NFL含む)のムック、水泳競技、陸上競技の月刊定期誌の編集長を歴任。各競技の国内主要大会をはじめ、アジア大会、世界選手権、オリンピック等、国際大会の現地取材を経験。