新大関・安青錦、来場所は2ケタクリアで十分!? 昇進場所で苦戦する大関が少なくないワケは

柴田雅人 Masato Shibata

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Jiji Press

■抜群の安定感で瞬く間に大関へ

今年の大相撲は、11月に行われた九州場所をもって本場所の全日程が終了した。同場所では関脇・安青錦が横綱・豊昇龍との優勝決定戦を制し自身初優勝。これが決め手となり、場所後に新大関へと昇進した。

安青錦は今年春場所で新入幕を果たすと、2場所連続で11勝を挙げ瞬く間に新三役・小結へ昇進。昇進場所となった名古屋場所でも11勝をマークすると、新関脇として迎えた九州場所を12勝で制した。大関は「三役で直近3場所33勝以上」という昇進目安があるが、安青錦は九州場所での優勝が評価され、平幕を起点としての昇進が実現している。

幕内に上がってからは5場所連続で11勝以上をマークするなど、とにかく安定感が光っている安青錦。来年の初場所でも記録継続が期待されるが、仮に達成すると新大関としては十分合格点の部類に入ることになる。

■平成以降の新大関は約半数が苦戦

角界では平成以降、安青錦よりも前に33名の大関が誕生している(再大関は除く、内12名は後に横綱まで昇進)が、昇進場所で優勝を果たしたのは栃東(13勝2敗)、白鵬(14勝1敗)の2名のみ。2ケタクリアはこの両名込みで16名となっている。

一方、それ以外の17名の内訳は1ケタ勝ち越しが9名、負け越しが6名、全休が2名。直近で大関に昇進した大の里も、新大関場所となった2024年九州場所では9勝にとどまるなど苦戦した。

大関は番付最上位の横綱の対抗馬として優勝争いに絡むことが求められる立場で、「2ケタ勝利=大関としての勝ち越し」とされることもある。ただ、平成以降に限ると前出の通り、全体の約半数は及第点といえるラインにすら至っていないのだ。

■新大関の苦戦が少なくないワケは?

新大関になった力士は昇進伝達式をはじめ、TV・イベント出演やメディア対応などに追われることになる。安青錦も例に漏れず各種対応をこなしているが、その影響で稽古やコンディション調整の時間が削られることが、本場所に悪影響を及ぼしている面は否めないだろう。

また、安青錦本人も昇進伝達式での口上の中で「さらに上を目指して精進いたします」と述べているが、大関になると次の横綱候補としてこれまで以上に期待や重圧がかかることになる。加えて、他力士からのマークもキツくなるため、心身ともに慣れるまでは思うように実力を発揮できないことが多いようだ。

安青錦は歴代4位の若さとなる21歳8か月で大関に昇進したが、年齢面を踏まえると相撲はまだまだ未完成で伸びしろがあるともいえる。本人の努力はもちろん、ファンが長い目で見守っていけるかも新大関場所、ひいては今後のキャリアを左右していくことになりそうだ。

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