WTAツアー史上最年長の勝利を挙げた選手は誰?|45歳のビーナス・ウィリアムズが復帰戦で勝利

Gilbert McGregor

石山修二 Shuji Ishiyama

WTAツアー史上最年長の勝利を挙げた選手は誰?|45歳のビーナス・ウィリアムズが復帰戦で勝利 image

スポーツの世界でその卓越性を測る独特な指標のひとつが「長寿」だ。

アスリートがそのピーク時に発揮するパフォーマンスは常に称賛に値する。だが、長期間にわたって卓越したパフォーマンスを維持することはそのアスリートを別の次元へと引き上げる。これは、野球、バスケットボール、サッカー、ホッケー、テニスなど、あらゆるスポーツに当てはまる。

▶Amazonでテニスグッズをチェック!

最終的には「時の翁」(Father Time:人にとっての時間の経過・年齢、寄る年波などの意)に打ち勝つことはできない。それでも、その限界に挑戦し続けた選りすぐりの選手たちはこれまでに何人も存在する。

テニス界では、ビーナス・ウィリアムズが時間の制約に縛られることなく、コートに戻ってきた。プロ転向から30年以上経った2025年、1年間の休養から復帰した45歳のウィリアムズはDCオープン1回戦で勝利し、その歴史に名を残した。

ここでは、7度のグランドスラム大会優勝者であるウィリアムズがWTAのシングルスで勝利した最年長選手ランキングにおいて何位にランクするかを紹介する。

WTAツアーで勝利した最年長選手は?

今回の勝利で、ウィリアムズはマルチナ・ナブラチロワに次ぐ、史上2位の記録を樹立した。

ナブラチロワは2004年のウィンブルドン選手権に47歳で勝利し、1回戦を突破した。

ランク選手年齢大会
1.マルチナ・ナブラチロワ472004年ウィンブルドン
2.ビーナス・ウィリアムズ452025年DCオープン

ナブラチロワのツアーレベルでの最後の勝利は2004年だったが、プロ転向から32年後の2006年まで正式に引退しなかった。

ウィリアムズの2025年DCオープンでの勝利は、彼女が14歳で初めてツアーレベルで勝利してから31年後のことだった。試合後、ウィリアムズは「保険のために戻って来なければならなかったんです。今年はCOBRA(退職者や失業者に対するアメリカの保険制度)の対象だと知らされたから」と笑いながら語った。

「保険の給付を受けるためにトレーニングを始めたんです。…いつも病院に通ってるので、この保険が必要なんです」

(2004年以降では最年長となるWTAの試合での勝利を飾ったビーナス・ウィリアムズ:「保険のために戻って来なければならなかった。今年はCOBRAの対象だと知らされたから、保険の給付を受けないと😭😭😭😭」)

現時点で、WTAツアーのシングルスのタイトルを獲得した最年長選手は39歳のビリー・ジーン・キング(1983年)、WTAランキング1位となった最年長選手はビーナスの妹であるセリーナ(35歳、2017年)となっている。

▶テニス見るならWOWOW

グランドスラム制覇を達成した最年長選手は?

セリーナ・ウィリアムズは35歳124日で2017年全豪オープンを制し、グランドスラム大会の最年長優勝記録を更新した。この優勝はウィリアムズにとって23個目のメジャータイトルであり、最初の娘を妊娠中の勝利だった。

ウィリアムズはまたグランドスラムで準優勝した最年長選手でもある。彼女は2019年全米オープン決勝で敗れた際、37歳だった。

▶31日間無料トライアル! テニスATPツアーをU-NEXTで独占ライブ配信

WTAの大会で優勝した最年長選手一覧

WTAの大会の最年長優勝者は前述の通りキングだが、2位にはクルム伊達公子がつけ、上位にはセリーナ・ウィリアムズやナブラチロワも上位に名を連ねる。

ランク選手年齢大会年度
1.ビリー・ジーン・キング39歳7ヶ月エッジバストン・カップ 1983
2.クルム伊達公子38歳11ヶ月ハンソル韓国オープン2009
3.セリーナ・ウィリアムズ38歳3ヶ月ASBクラシック2020
4.タチアナ・マリア37歳10ヶ月クイーンズクラブ・チャンピオンシップ2025
5.マルチナ・ナブラチロワ37歳4ヶ月オープン・ガス・ド・フランス1994

原文:Oldest tennis players to win on WTA Tour: Where Venus Williams ranks on all-time list
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

Gilbert McGregor

Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。