個人に贈られるサッカー界最高の栄誉といえば「バロンドール」だが、そのほかにも、さまざまな団体が選出する名誉ある賞が数多く存在する。
その中でも特に権威ある年間表彰のひとつが「ゴールデンボーイ賞」だ。ヨーロッパのクラブに所属する若手選手の中で、最も優れた活躍を見せた選手に贈られるこの賞は、毎年大きな関心を集めている。
過去にはリオネル・メッシ、セルヒオ・アグエロ、キリアン・エムバペ、ジュード・ベリンガムといった名だたるスターが受賞。20年以上の歴史を持つこの賞は、若くして世界的な評価を手にした証として、多くの選手が憧れる個人タイトルのひとつとなっている。
さらに近年、女子サッカーの発展を背景に、2022年からは「ゴールデンガール賞」も創設された。男子版と同様に、世界で最も優れた若手女子選手を称える賞として注目を集めている。
本記事では、最新の受賞者や歴代の受賞者、そして選考方法について紹介していく。
デジレ・ドゥエ、2025年のゴールデンボーイ賞を受賞
2025年のゴールデンボーイ賞に輝いたのは、パリ・サンジェルマン(PSG)のデジレ・ドゥエだった。
2024-2025シーズンを通して、ドゥエは公式戦で16ゴール14アシストを記録し、攻撃の中心としてチームをけん引した。
UEFAチャンピオンズリーグ決勝では、インテルを相手に2得点1アシストの大活躍を見せ、PSGを5-0の大勝でクラブ史上初の欧州制覇へと導いた。
6月に20歳を迎えたばかりのドゥエは、今や世界でも最も注目される若手選手のひとりとして評価されている。
今回の受賞では、アルダ・ギュレル(レアル・マドリード/トルコ)、パウ・クバルシ(バルセロナ/スペイン)、ケナン・ユルディズ(ユベントス/トルコ)らを抑えての受賞となった。
また、プレミアリーグ勢からは、ディーン・ハイセン(ボーンマス、レアル・マドリード/スペイン)、マイルズ・ルイス=スケリー(アーセナル/イングランド)、エステバン(チェルシー/ブラジル)らが候補に名を連ねていた。
ミシェル・アジェマン、2025年のゴールデンガール賞を受賞
2025年のゴールデンガール賞に輝いたのは、イングランド代表のミシェル・アジェマンだった。創設から4回目を迎えた比較的新しいこの賞で、新たな歴史が刻まれた。
19歳のアジェマンは、今夏の女子ユーロ2025で途中出場からチームを救う活躍を見せ、大きな話題を呼んだ。ノックアウトステージでは途中出場で2得点を挙げ、決勝のスペイン戦ではPK戦で確実に成功させるなど、イングランドの優勝に大きく貢献。大会を通じて、その存在感を強く印象づけた。
現在はアーセナルからブライトンへ期限付き移籍中だが、10月に代表活動中の負傷で前十字靭帯を断裂。少なくとも1年間は戦列を離れる見込みとなっている。
今回の受賞では、リリー・ヨハネス(リヨン/アメリカ)、ジュリア・ガッリ(ローマ/イタリア)、ビーケ・カプテイン(チェルシー/オランダ)らを抑えての栄冠となった。
受賞者はどのように選出されるのか?
ゴールデンボーイ賞とゴールデンガール賞は、2003年の創設以来、イタリアのスポーツ紙『トゥットスポルト』によって選出・授与されている。
ただし、『トゥットスポルト』が単独で受賞者を決定するわけではない。ヨーロッパ各国の主要メディアから選ばれた50名の記者が投票に参加し、その総合結果によって受賞者が決まるという仕組みだ。
投票には、ドイツの『ビルト』、スイスの『ブリック』、ポルトガルの『ア・ボラ』、フランスの『レキップ』と『フランス・フットボール』、スペインの『マルカ』と『ムンド・デポルティーボ』、ギリシャの『タ・ネア』、ロシアの『スポルト・エクスプレス』、オランダの『デ・テレフラーフ』、そしてイングランドの『ザ・タイムズ』など、ヨーロッパ各国の有力紙が名を連ねている。各紙からどの記者が投票しているかは公開されていない。
各投票者は、成績データや実績などの指標をもとに選出された100名の候補者リストから10名を選び、1位から10位まで順位をつけて投票する。順位に応じてポイントが与えられ、1位が10点、2位が9点……10位が1点となる。50名全員の投票結果を合算し、最も多くのポイントを獲得した選手がその年の受賞者となる。
選考期間は欧州サッカーのシーズン単位ではなく、暦年(1月〜12月)で区切られている。そのため、2025年のデジレ・ドゥエの受賞対象となったのは、2024-25シーズンではなく、2025年の年間を通じた活躍だ。
また、「ゴールデンボーイ・ウェブ賞」と呼ばれる部門も設けられており、こちらは全世界のファンによるオンライン投票のみで決定される。
候補者の年齢制限と再受賞ルール
ゴールデンボーイ賞およびゴールデンガール賞の候補者は、いずれも21歳以下でなければならない。
また、同じ選手がキャリアの中で複数回受賞することはできないというルールも設けられている。
この規定により、前年の受賞者である18歳のラミン・ヤマルは2025年の選考対象外となった。もしノミネートされていれば、有力な受賞候補のひとりとなっていたに違いない。
ゴールデンボーイ賞 歴代受賞者一覧
| 年 | 選手 | クラブ | 国籍 |
| 2025 | デジレ・ドゥエ | PSG | フランス |
| 2024 | ラミン・ヤマル | バルセロナ | スペイン |
| 2023 | ジュード・べリンガム | ドルトムント/レアル・マドリード | イングランド |
| 2022 | ガビ | バルセロナ | スペイン |
| 2021 | ペドリ | バルセロナ | スペイン |
| 2020 | アーリング・ハーランド | ドルトムント | ノルウェー |
| 2019 | ジョアン・フェリックス | ベンフィカ/アトレティコ・マドリード | ポルトガル |
| 2018 | マタイス・デ・リフト | アヤックス | オランダ |
| 2017 | キリアン・エムバぺ | モナコ/PSG | フランス |
| 2016 | レナト・サンチェス | ベンフィカ/バイエルン・ミュンヘン | ポルトガル |
| 2015 | アントニー・マルシャル | モナコ/マンチェスター・ユナイテッド | フランス |
| 2014 | ラヒーム・スターリング | リバプール | イングランド |
| 2013 | ポール・ポグバ | ユベントス | フランス |
| 2012 | イスコ | マラガ | スペイン |
| 2011 | マリオ・ゲッツェ | ドルトムント | ドイツ |
| 2010 | マリオ・バロテッリ | インテル/マンチェスター・シティ | イタリア |
| 2009 | アレシャンドレ・パト | ACミラン | ブラジル |
| 2008 | アンデルソン | マンチェスター・ユナイテッド | ブラジル |
| 2007 | セルヒオ・アグエロ | アトレティコ・マドリード | アルゼンチン |
| 2006 | セスク・ファブレガス | アーセナル | スペイン |
| 2005 | リオネル・メッシ | バルセロナ | アルゼンチン |
| 2004 | ウェイン・ルーニー | エバートン/マンチェスター・ユナイテッド | イングランド |
| 2003 | ラファエル・ファン・デル・ファールト | アヤックス | オランダ |
ゴールデンガール賞 歴代受賞者一覧
| 年 | 選手 | クラブ | 国籍 |
| 2025 | ミシェル・アジェマン | アーセナル/ブライトン | イングランド |
| 2024 | ビッキー・ロペス | バルセロナ | スペイン |
| 2023 | リンダ・カイセド | レアル・マドリード | コロンビア |
| 2022 | ユーレ・ブラント | ホッフェンハイム/ヴォルフスブルク | ドイツ |
原文:Who won Golden Boy 2025? Winners of Tuttosport awards for best Under-21 soccer star in the world
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)
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