ジャック・グリーリッシュのエバートンへの移籍は、これまでのところ大成功となっている。イングランド人のMFは、レギュラーとしてプレーする喜びを味わっている。
30歳のグリーリッシュは、マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督の下では、定位置を確保することができなかった。
環境を変えたことで、グリーリッシュは再び本来の輝きを取り戻している。2025-26シーズンのプレミアリーグ開幕から、新設されたエバートンのホームスタジアムのヒル・ディキンソン・スタジアムで1ゴール4アシストを記録し、上々のスタートを切った。
しかし、エバートンは10月18日にグリーリッシュの「保有元クラブ(親クラブ)」であるマンチェスター・シティとのアウェー戦を迎えるにあたり、他のオプションを模索しなければならない。というのも、イングランドのサッカー界ではレンタル移籍中(ローン移籍)の選手が親クラブとの対戦に出場することを禁じる規定があるからだ。
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グリーリッシュはエバートンvsマンチェスター・シティに出場できるのか?
レンタル移籍の制約により、グリーリッシュはエバートンがマンチェスター・シティと戦う試合に出場できない。10月18日のアウェー戦に加え、2026年5月2日のホーム戦でも出場不可となる。
プレミアリーグの規定では、「国内クラブにレンタル移籍した選手は、リーグ戦およびカップ戦において親クラブとの対戦に出場することができない」と明記されている。
ただし、このルールはイングランド特有のものであり、他国では一般的ではない。したがって、仮にエバートンとマンチェスター・シティがヨーロッパの大会(例えばチャンピオンズリーグ)で対戦する場合、グリーリッシュは出場可能となる。
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なぜレンタル選手は親クラブと対戦できないのか?
プレミアリーグでは、レンタル移籍中の選手が親クラブと対戦することを長年にわたり制限してきた。
その理由は、所属契約を結んでいるクラブの競争上の利益を損なう可能性を避けるためだ。つまり、レンタル中の選手が自分のクラブに不利な結果をもたらすような状況を防ぐ目的がある。
しかし、こうした規定はヨーロッパや世界の他の地域では一般的ではない。多くの国では、このような出場制限はリーグの規定ではなく、個々の契約交渉によって決められる。したがって、出場禁止条項を設ける場合は、各レンタル契約に記載する必要がある。
スペインなど多くの国では、このような制限条項はむしろ否定的に見られている。選手が親クラブとの対戦を禁じられる条項は「恐怖条項(fear clause)」と呼ばれており、「もしある選手が戦力外として放出されたのであれば、その選手が対戦相手として脅威になることを恐れるべきではない。そうであるなら、最初からレンタルに出すべきではない」という考え方が一般的となっている。
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ジャック・グリーリッシュのエバートンへのレンタル移籍
マンチェスター・シティでキャリアが停滞していたグリーリッシュは、2025-2026シーズンにエバートンへレンタル移籍をした。
30歳の彼は、出場機会を増やして再び評価を高め、2026年のワールドカップでイングランド代表に選ばれるのを目指している。
複数の報道によると、この契約ではエバートンがグリーリッシュの年俸の75%を負担しており、クラブにとって年間約1200万ポンド(約24億円)のコストとなっている。
さらに報道によれば、シーズン終了後にエバートンがグリーリッシュを完全移籍で獲得できる買い取りオプションが設定されており、その金額は5000万ポンド(約100億円)とされている。しかし、30歳という年齢やエバートンの財政状況を考慮すると、このオプションが実行される可能性は低いと見られている。
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原文:Can Jack Grealish play against Man City? How Premier League loan rules affect Everton star in upcoming match
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)