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チーフスQBパトリック・マホームズは28年ロス五輪でのフラッグフットボール競技参加の意思を示さず

David Suggs

石山修二 Shuji Ishiyama

チーフスQBパトリック・マホームズは28年ロス五輪でのフラッグフットボール競技参加の意思を示さず image

次の夏季オリンピックの開催は3年後だが、アメリカンフットボール界隈ではすでに話題の的となっている。

これは今までにはなかった状況だ。これまでアメリカンフットボールはオリンピックでの注目を集めたことはない。だが、数年にわたる交渉と駆け引きの末、国際オリンピック委員会(IOC)は2028年のロサンゼルス大会からフラッグフットボールの競技参加を承認した。

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IOCの発表はNFLの選手とファン双方に歓喜を呼び起こした。多くの人は、これによってリーグのトップ選手たちがオリンピックの栄冠を争うものと信じていた。その熱気はさらに高まり、今年5月にはNFLがオーナー会議で選手たちをオリンピック代表チームに参加させる提案を承認した。

すでに何人かの選手はオリンピック出場の希望を表明しているものの、それは選手全員の総意ではない。例えば、チーフスのスターQBであるパトリック・マホームズは参加しない意向を示している。

ここではマホームズの最近のコメントを紹介するとともにオリンピックのフラッグフットボール競技とNFLを巡る状況をアップデートする。

パトリック・マホームズはオリンピックに参加する?

少なくともマホームズはオリンピックに参加する意思はないようだ。

マホームズは自身も参加したOTA(チームによる合同自主トレ)で最初のメディア対応をした際、記者団に対して2028年にロサンゼルスで開催されるオリンピックのフラッグフットボールイベントに参加する予定はないと述べた。

「その役目は若い選手たちに任せるよ。 その頃には自分はちょっと年を取りすぎているかな」とマホームズは『NFLネットワーク』のイアン・ラパポート氏に取材で語った

リーグでは最近、32チームのオーナー全員が賛成票を投じ、選手たちのオリンピック参加を認める提案を承認した。バイキングスのWRジャスティン・ジェファーソンからドルフィンズのWRタイリーク・ヒルまで複数の選手が既にオリンピック参加に興味を示している。

だがマホームズは同意見ではないようだ。彼自身が指摘する通り、年齢的な問題はあるだろう。現在29歳のマホームズは、2028年にオリンピックが開催される頃には33歳目前となっている。金メダルと栄光へ向けてプレーするのは若手選手たちに任せ、サイドラインで待っている方がその頃の彼にとって良い選択かもしれない。

オリンピック参加に懐疑的なのはマホームズだけではない。 ラムズのQBマシュー・スタッフォードは、記者から2028年のオリンピック出場の可能性について尋ねられると驚いた様子でこう答えた。

「それはコーチングの話か何かかい?」

記者が参加の意向を問い直すと、37歳のスタッフォードはユーモアたっぷりに答えた。

「もちろん。誰も要らないと思うけど、確かに楽しそうだ...コーチ役はね」

NFLの選手たちはオリンピックに参加する?

現地5月20日(火)、リーグはオーナー会議でNFLのプレイヤーが2028年オリンピックのフラッグフットボール競技に参加することを認める決議を承認した。この提案は全会一致で可決された。

NFLの選手は本当にオリンピックに出場するのかと言われれば、実際にはまだ不透明ではある。男子フラッグフットボールのアメリカ代表チームはアメリカンフットボール国際連盟のランキングで首位に立っており、ロスターに大がかりな補強が必要というわけではない。また、2028年のオリンピックの選手選考プロセスを監督するのはUSAフットボールであってNFLにその権限はない。

選考プロセスにNFLのプレイヤーを含むかどうかは現時点では不明ながら、同団体のCEOであるスコット・ハレンベック氏は、同団体が正式に米国のフラッグフットボール統括団体として認定された後、NFLの「継続的な支援と信頼」に感謝の意を表した。

「この素晴らしいスポーツと成長するコミュニティに対する私たちのコミットメントはこれまで以上に強固なものとなっています」とハレンベック氏は声明の中で述べた。

「LA 2028で競技するチームUSAフラッグフットボールは、フラッグフットボールとタックルフットボールの両方において、世界中のアスリートに向けてこのスポーツの進化と発展を促すでしょう」

また、米国男子代表チームのスターティングQBダレル・ドゥセットIIIは米紙『ワシントン・ポスト』に対し、オリンピック代表チームへの参加に向けたオープンな競争を歓迎すると語った。

「フラッグフットボールの選手たちはその機会を得るべきです。それが自分たちの望みです」とドゥセットは語った。

「自分たちはこのスポーツが現在の位置を築くために努力してきました。しかしNFLの選手たちがこの話題を口にした途端、自分たちは脇に追いやられたように感じました。これは自分たちが長年プレーしてきたスポーツであり、自分たちは最も優れたプレーヤーだと自負しています。他の選手は必要ありません」

選手選考においてはドゥセットが示唆したように、トライアウトが実施される可能性が高いと考えられる。そしてフラッグフットボールの選手とNFLの選手によって混成されチームは、両者にとっての妥協点となりうるだろう。ただ、今後のプロセスなど具体的な詳細は依然として不明となっている。

原文:Why Patrick Mahomes 'probably' won’t play flag football at the 2028 Olympics
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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David Suggs

David Suggs is a content producer at The Sporting News. A long-suffering Everton, Wizards and Commanders fan, he has learned to get used to losing over the years. In his free time, he enjoys skateboarding (poorly), listening to the likes of Stevie Wonder, Marvin Gaye and D’Angelo, and penning short journal entries.

石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。