トム・ブレイディの40ヤード走…伝説となった2000年NFLコンバインでの鈍足ぶり

Joe Rivera

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トム・ブレイディは多彩な才能に恵まれて生まれたが、スピードはそのひとつではない。

この日曜日、現在タンパベイ・バッカニアーズのクォーターバックであるブレイディがその輝かしいキャリアをスタートさせた地に帰ってくる。バッカニアーズがビル・ベリチック率いるニューイングランド・ペイトリオッツの本拠地マサチューセッツ州フォックスボロへ遠征するのだ。(訳者注:試合はバッカニアーズがペイトリオッツを19-17で下した)

だが、ブレイディ時代がニューイングランドで幕を開けるより前、2020年にインディアナ州インディアナポリスで行われたNFLコンバイン(ドラフト候補生たちの身体能力テスト)で伝説は始まった。当時のブレイディを撮影した写真は永遠に語り継がれることだろう。

ブレイディがNFL史上最高の選手であることは誰もが認めることだが、先天的な身体能力にもっとも恵まれたクォーターバックでないことは明白である。

機動力に欠けることはブレイディの妨げにはならなかった。あるいは良い方向に働いた面もあっただろう。陸カメのようだったブレイディの伝説的な鈍足ぶりとは以下の通りである。

 

トム・ブレイディの40ヤード走タイム

ブレイディがスピードのあるクォーターバックだと見なされたことは一度もない。それは2000年NFLコンバインにおける40ヤード走のタイム(5.28秒)で証明されている。

当時ミシガン大学ウォルバリンズに所属していたブレイディはこのコンバインでルイビル大学のクリス・レッドマンに次いで2番目に足が遅いクォーターバックだった。コンバイン全出席者の中でもブレイディのタイムは31番目に遅く、攻撃ライン陣の面々よりわずかに速かっただけなのである。

2000年NFLコンバインに参加したクォーターバックの40ヤード走タイム:

選手名

タイム (秒)大学NFLチーム指名順位 (巡目)
クリス・レッドマン5.37ルイビルレイブンズNo. 75 (3)
トム・ブレイディ5.28ミシガンペイトリオッツNo. 199 (6)
トッド・フサック5.20スタンフォードワシントンNo. 202 (6)
ビル・バーク5.03ミシガン州立指名なし
ティム・レスター5.02西ミシガン指名なし
トラビス・ブラウン5.01北アリゾナ指名なし
マーク・バルガー4.97西バージニアセインツNo. 168 (6)
クリス・チャロウプカ4.96南メソジスト指名なし
ダグ・ジョンソン4.95フロリダ指名なし
ケビン・フェテリック4.92ブリガムヤング指名なし
ティム・ラタイ4.91ルイジアナ技術49ersNo. 212 (7)
スペルゴン・ウィン4.91テキサス州立ブラウンズNo. 183 (6)
ジョー・ハミルトン4.81ジョージア技術バッカニアーズNo. 234 (7)
チャド・ペニントン4.81マーシャルジェッツNo. 18 (1)
レオン・マレー4.75テネシー州立指名なし
ジョバンニ・カルマッツィ4.74ホフストラ49ersNo. 65 (3)
ジャリオス・ジャクソン4.68ノートルダムブロンコスNo. 214 (7)
ティー・マーチン4.58テネシースティーラーズNo. 163 (5)

ブレイディのタイムは歴史的でもあった。コンバイン史上もっとも40ヤード走のタイムが遅かったクォーターバックの1人である。

2000年から2021年までの間に、NFL入りしたかどうかにかかわらず、NFLコンバインに参加したすべてのクォーターバックの中で、ブレイディのタイムは2番目に遅い。かつてのチームメイトであるライアン・マレット(5.37秒)、トビー・コロディ(5.37秒)、レッドマン(5.37秒)より僅かに速く、ジャレッド・ロレンゼン(5.28秒)と同タイムである。

 

トム・ブレイディのラン獲得ヤード記録

典型的なパッサーであるブレイディが脚を使ったプレイを見せる機会は限られている。

ブレイディは全キャリアでランを640回試し、1.063ヤードを獲得している。1回の試行あたり平均で1.7ヤードを獲得し、26個のタッチダウンを記録している。クォーターバック戦略の達人としてしられるブレイディがランによるファーストダウンを奪った回数は221回である。

ブレイディのキャリア最長ランは2006年にシンシナティ・ベンガルズ戦で記録した22ヤードのファーストダウンである。

プレーオフになると、ブレイディはランでの成功例はあまり多くない。これまでにポストシーズンで出場した全45試合でランによって獲得したのは133ヤードであり、7個のタッチダウンと35のファーストダウンを記録している。

 

トム・ブレイディのNFLコンバインでの結果

スピード以外でも、ブレイディはベンチプレスを除くすべてのNFLコンバイン種目での記録を残している。

その中にはなかなか悪くない記録も含まれている。

種目結果クォーターバック内順位
40ヤード走4.58秒16位 (全17人中)
垂直飛び24.5 インチ12位 (全12人中)
立ち幅跳び99 インチ12位(全15人中)
3コーンドリル7.20秒4位(全11人中)
シャトル・ラン4.38秒6位(全11人中)

ブレイディの3コーンドリルでのタイム(7.20秒)は実はジョーダン・ラブ(7.21秒)、ダンテ・カルペッパー(7.21秒)、マット・ライアン(7.40秒)、そしてアーロン・ロジャース(7.38秒)より速いのである。

結局のところ、やはりスピードがモノを言う。

(翻訳:角谷剛)

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Joe Rivera