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ペイサーズはどうやって2025年NBAファイナル進出チームを作り上げたのか

Gilbert McGregor

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

ペイサーズはどうやって2025年NBAファイナル進出チームを作り上げたのか image

インディアナ・ペイサーズが球団史上2度目となるNBAファイナル進出を果たした。

一部の人にとってはペイサーズの快進撃が意外に思えるかもしれないが、それは数年にわたって準備されてきたものであり、2024年の東決勝進出をきっかけに加速した。

歴史的に見て、ペイサーズはドラフト上位指名を獲得するには順位が高すぎで、有名FA選手の移籍先にもなりにくい市場だ。そのため、球団のフロントは堅実なドラフト指名や計算されたトレードを通じて、ファイナル進出が可能なチームを作り上げてきた。

結果として、ペイサーズは独自の才能をミックスさせたロスターでファイナル進出を果たした。8人の選手がドラフト当日に球団に獲得されてはいるが、チーム内で最も上位指名された選手でも全体6位止まりであり、チームの中心となる2選手はトレードで獲得された。

ここでは、ペイサーズがどのようにしてNBAファイナルに進出するロスターを構築したかをまとめた。

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ペイサーズはいかにして築かれたのか?

2024年と2025年の2年連続での東決勝進出は、2021年から2023年までの3年連続プレイオフ不出場という時期を経ての大躍進だった。この期間中に、ペイサーズは現在の成功に繋がる重要な動きをいくつも行い、決定打となる一手は昨シーズンに実行された。

ここでは、スターティングラインナップを中心に、特に大きな動きを紹介する。

パスカル・シアカムをトレードで獲得

日付: 2024年1月17日

2023-2024シーズン序盤に「伏兵」として注目されたペイサーズは、大型トレードでトロント・ラプターズからシアカムを獲得した。このトレードはラプターズの再建を加速させるものだったが、ペイサーズはチームの中核を崩さずにシアカムのような実力者を加えることに成功した。

ペイサーズ獲得:パスカル・シアカム、2巡目指名権
ラプターズ獲得:ブルース・ブラウン、ジョーダン・ウォーラ、カイラ・ルイスJr.、2024年ドラフト1巡目指名権、2024年ドラフト1巡目指名権、2026年ドラフト1巡目指名権

アーロン・ニスミスの獲得

日付: 2022年7月9日

ボストン・セルティックスからドラフト指名を受けたニスミスだったが、セルティックスの飽和したウイング陣の中で期待に応えきれなかった。一部では彼をおまけと見なしていたが、ペイサーズはマルコム・ブログドンとの別れにあたって、彼を必ず手に入れるべき逸材と判断した。

ペイサーズ獲得:アーロン・ニスミス、マリク・フィッツ、ジュワン・モーガン、ニック・スタウスカス、ダニエル・タイス、2023年1巡目指名権
セルティックス獲得:マルコム・ブログドン

アンドリュー・ネムハードの指名

日付: 2022年6月23日

2022年ドラフトの2巡目1位(元はロケッツの指名権)でペイサーズが見事な指名を行った。ゴンザガ大学で活躍したネムハードは、2巡目としては異例の4年860万ドルの契約を結び、球団として期待の大きさを示した。

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タイリース・ハリバートンとドマンタス・サボニスのトレード

日付: 2022年2月8日

2022年のトレードデッドラインで、ペイサーズはサボニスをキングスに送り出し、ハリバートンを獲得。当時2年目だったハリバートンはスター性を見せていたものの、ディアロン・フォックスとの共存に難しさがあり、ペイサーズで飛躍の場を得た。

結果的に、ハリバートンは新たなホームを見つけた。

ペイサーズ獲得:タイリース・ハリバートン、バディ・ヒールド、トリスタン・トンプソン、2027年2巡目指名権
キングス獲得:ドマンタス・サボニス、ジェレミー・ラム、ジャスティン・ホリデー

2015年ドラフトでのマイルズ・ターナーの指名

日付: 2015年6月25日

ターナーはペイサーズで最も在籍期間が長い選手であり、10シーズンを通じて球団歴代最多ブロック数を記録するなど、複数のスタッツでトップ10入りしている。オールスターに選出されたことはないが、ブロック王に2度輝き、度重なるトレードの噂にもかかわらず、チームの柱として君臨してきた。

Bennedict Mathurin

1988年以来のドラフト指名最高順位

日付: 2022年6月23日

信じがたいことに、ベネディクト・マサリンはペイサーズが1988年以来で最も高順位で指名した選手である。

ペイサーズが最後にトップ5で指名したのは1988年で、2022年のドラフトではマサリンはそのすぐ後の全体6位で指名された。彼は2024年のプレイオフを怪我で欠場したが、2025年にはセカンドユニットの得点源として存在感を見せている。

オビ・トッピンの獲得

日付: 2023年7月7日

ニューヨーク・ニックスでトップ10指名されたトッピンは、新天地を求めてペイサーズに移籍した。

ニックスでのキャリアは順調なスタートを切ったが、契約延長の問題とフロントコートの過密により放出対象となった。ペイサーズは選手を放出することなく彼を獲得し、結果的にこの動きは大成功となっている。

ペイサーズ獲得:オビ・トッピン
ニックス獲得:2028年2巡目指名権、2029年2巡目指名権

T.J. McConnell and Thomas Bryant

チームカルチャーに合う選手の獲得 

ペイサーズのローテーションを支える選手たちは、さまざまな形でチームに加わったが、いずれもチームカルチャーに貢献している。

ベテランガードのTJ・マコーネルはローテーション内では最年長であり、2019年にフリーエージェントとして加入して以来、チームで2番目に在籍期間が長い。38歳のジェームズ・ジョンソンはNBAでも最年長クラスの選手で、出場機会は少ないが、ベテランとしての存在感は非常に大きい。

ペイサーズはフロントコートのローテーション補強としても成果を上げた。2023年12月には母校インディアナ大出身のトーマス・ブライアントをトレードで獲得し、2025年3月にはNBA出場が2年空いていたトニー・ブラッドリーと契約した。

この2人のビッグマンは東決勝でも重要な場面で活躍し、とくにブライアントはチームで唯一の優勝経験者の1人として光っている。

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2025年NBAファイナルのペイサーズロースター

選手年齢獲得経緯日付
トニー・ブラッドリー27フリーエージェント03/02/25
トーマス・ブライアント27ヒートとのトレード12/15/24
RayJ Dennis*24フリーエージェント01/03/25
Enrique Freeman*242024ドラフト50位指名06/27/24
ジョニー・ファーフィー20スパーズからのドラフト権で獲得07/06/24
タイリース・ハリバートン25キングスとのトレード02/08/22
アイザイア・ジャクソン23レイカーズからのドラフト権で獲得08/06/21
クエントン・ジャクソン*26フリーエージェント03/04/24
ジェームズ・ジョンソン38フリーエージェント09/15/22
ベネディクト・マサリン222022ドラフト6位指名06/23/22
TJ・マコーネル33フリーエージェント07/29/19
アンドリュー・ネムハード252022ドラフト31位指名06/23/22
アーロン・ニスミス25セルティックスとのトレード07/09/22
ベン・シェパード232023ドラフト26位指名06/22/23
パスカル・シアカム31ラプターズとのトレード01/17/24
オビ・トッピン27ニックスとのトレード07/07/23
マイルズ・ターナー292015ドラフト11位指名06/25/15
ジェレス・ウォーカー21ウィザーズからのドラフト権で獲得06/22/23

*2ウェイ契約選手

原文:How Pacers built NBA Finals roster, from Tyrese Haliburton trade to Pascal Siakam deadline deal in 2024
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)

Gilbert McGregor

Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

京都府生まれ、立命館大学卒。The Sporting Newsのアシスタントエディター。大学在学中は、ファッションに携わり、Levi'sやセレクトショップでスタッフとしてキャリアをスタート。大学卒業後に上京し、ファッションとカルチャーを結びつけた記事を執筆。バスケ未経験ながら、2015年にカリーのプレーに魅了され、NBA観戦が大好きになる。