2025年のNBAファイナルの組み合わせが決定し、このステージにあまり馴染みのない2つのフランチャイズが顔を合わせることとなった。
シーズンMVPのシャイ・ギルジャス・アレクサンダーとジェイレン・ウィリアムズを中心としたオクラホマシティ・サンダーは、2008年のオクラホマ移転以降で2度目、そして13年ぶりとなるファイナル進出を果たした。
一方、インディアナ・ペイサーズはタイリース・ハリバートンと、東決勝のMVPに輝いたパスカル・シアカムを中心にバランスの取れた攻撃が武器となっている。なお、シアカムはファイナル出場者の中で、優勝経験を持つ3人のうちの1人だ。
サンダーとペイサーズは、このプレイオフで圧倒的な選手層の厚さを見せつけてきた。ヘッドコーチのマーク・デイグノートとリック・カーライルは、ときに10人以上の選手をローテーションに組み込む柔軟な起用を見せている。
ここでは、ファイナルで影響を与える可能性のある20人以上の選手の中で、MVP候補からローテーションを支える選手までトップ8選手を紹介する。
2025年NBAファイナル選手ランキング

8. アイザイア・ハーテンシュタイン(サンダー)
今プレイオフ成績(16試合): 平均9.2得点、7.9リバウンド、2.2アシスト
ハーテンシュタインにとってはサンダーに移籍して1年目だが、まさに完璧なフィットを見せている。2ビッグ編成の一角として起用され、スコアリング、リバウンド、プレイメイク、スクリーンとあらゆる面で貢献している。
さらに守備でも相手の屈強なビッグマンに対して優れた対応力を見せており、サンダーにとっては欠かせない存在だ。
7. アンドリュー・ネムハード(ペイサーズ)
今プレイオフ成績(16試合): 平均12.8得点、3.3リバウンド、5.1アシスト
オリンピック代表選出前に、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーはネムハードを理想的な正統派ポイントガードと評した。しかし実際には、ネムハードはハリバートンの横でプレイすることで、その真価を発揮する完璧なコンボガードだ。
プレイオフでは自ら得点しつつ味方も生かす攻撃力に加え、相手チームの主力ウイングに対するディフェンスは圧巻である。
6. マイルズ・ターナー(ペイサーズ)
今プレイオフ成績(16試合): 平均15.2得点、4.9リバウンド、1.4アシスト
今ファイナル出場選手の中で最も長く同一チームに在籍するのが、ペイサーズ在籍10年目のターナーだ。
今プレイオフでは、スペーシングを生かしてオフェンスの流動性を支える安定した存在となっている。センターとしてリバウンド数は物足りない部分もあるが、今プレイオフで最もブロックを記録している選手でもある。

5. チェット・ホルムグレン(サンダー)
今プレイオフ成績(16試合): 平均16.4得点、8.6リバウンド、1.1アシスト
キャリア2度目のプレイオフながら、ホルムグレンはサンダーにとって非常に大きな存在となっている。サンダーの強固な守備を完成させるリムプロテクターとしてだけでなく、攻撃面でも存在感を発揮。23歳にしてプレイオフではすでに5回のダブルダブルをマークしている。
特に、西決勝では平均18.0得点、6.0リバウンド、1.6ブロック、FG成功率56.7%、3P成功率36.8%と圧巻の成績を残した。身長7フィート1インチ(約216cm)でこの多才さは異次元だ。
4. ジェイレン・ウィリアムズ(サンダー)
今プレイオフ成績(16試合): 平均20.4得点、5.8リバウンド、5.3アシスト
サンダーのオールスターデュオの一人であるウィリアムズは、わずか3年目にしてプレイオフで急成長を見せている。好不調の波はあるものの、ファイナル第1戦は彼にとってキャリア27試合目のプレイオフとまだまだ伸びしろは大きい。
特に、西決勝第4戦では34得点を記録し、2点差での重要な勝利に貢献。攻撃力だけでなく、オールディフェンシブチーム級の守備も兼ね備えている。
3. パスカル・シアカム(ペイサーズ)
今プレイオフ成績(16試合): 平均21.1得点、5.8リバウンド、3.3アシスト
東決勝のMVPの受賞は当然の結果だった。
2019年のラプターズ優勝時に培った「チャンピオンのDNA」は今プレイオフでも健在で、東決勝では3度の30得点超えを記録している。
シアカムは必要に応じてスコアリング、ドライブ、外角からのショットなど多様な役割をこなす柔軟性が最大の強み。どんなシステムにも対応できるオールスターレベルのつなぎ役だ。

2. タイリース・ハリバートン(ペイサーズ)
今プレイオフ成績(16試合): 平均18.8得点、5.7リバウンド、9.8アシスト
ハリバートンは正統派ポイントガードの理想形だ。
それは第4戦でのターンオーバーゼロで32得点、12リバウンド、15アシストと歴史的なトリプルダブルを記録したことで証明された。
とはいえ、次の試合で8得点に終わるなど波もあるが、好調時のパフォーマンスは異次元だ。25歳の若き司令塔は、今まさに本領を発揮し始めている。
彼の安定したスーパースター級の活躍こそが、インディアナの優勝の鍵を握るだろう。
1. シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(サンダー)
今プレイオフ成績(16試合): 平均29.8得点、5.7リバウンド、6.9アシスト
文句なしのシーズンMVP。プレイオフ序盤は効率に苦しんだものの、最終的には平均29.8得点、FG成功率47.1%という圧巻の数字を記録。
既に11試合で30得点以上をマークしており、リーグで最も止められない選手の1人となっている。得点能力に加え、プレイメイクやリバウンド、そしてディフェンスも着実に向上している。
異次元の体の使い方でショットを決めるそのスタイルは、まさに唯一無二となっており、このままいけばファイナルMVPでシーズンを締めくくる可能性が大いにある。
原文:Ranking top 8 players in the NBA Finals, from Shai Gilgeous-Alexander to Tyrese Haliburton
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)