NBA 2023-24シーズンの出来事まとめ|プレイオフ・トレードなど

小野春稀 Haruki Ono

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マーベリックスの快進撃に、圧倒的な強さを誇ったセルティックス。第7戦までもつれた、ナゲッツとティンバーウルブズの激闘。リラードやビールらフランチャイズスターの移籍。

今や2年前となった2023-24シーズンを皆さんはどれほど覚えているだろうか?今回は、印象的な出来事を中心に2023-24シーズンを振り返っていこう。

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Boston Celtics champions
(NBAE via Getty Images)

2023-24シーズンのチャンピオン:ボストン・セルティックス

NBAを制したのはボストン・セルティックス。NBA単独トップとなる18回目の優勝となった。オフシーズンにはドリュー・ホリデーとクリスタプス・ポルジンギスを獲得し、歴代でも有数の先発ラインナップを作り上げた。強固なディフェンスはもちろん、3Pを軸としたオフェンスは抜群の破壊力を誇り、オフェンシブレーティングは124.3とリーグトップの数字だった。

2023-24シーズンの主要アワードの受賞者

Denver Nuggets Nikola Jokic MVP
(NBA.com)

シーズンMVP:二コラ・ヨキッチ

シーズンMVPには二コラ・ヨキッチが選出された。自身3度目のMVP受賞で、平均26.4得点、12.4リバウンド、9.0アシストを記録した。過去4シーズンで3回の受賞と、リーグNo.1選手の地位を確固たるものとする受賞であった。

Victor Wembanyama San Antonio Spurs ROY
(NBA.com)

新人王:ビクター・ウェンバンヤマ

新人王にはサンアントニオ・スパーズのビクター・ウェンバンヤマが選出された。出場時間は平均29.7分と控えめな中、21.4得点、10.6リバウンド、ブロックに関しては3.6と大暴れした。最優秀守備選手賞では2位の票数を獲得するなど、1年目からNBAを席巻した。

Rudy Gobert
(NBA.com)

最優秀守備選手賞:ルディー・ゴベア

最優秀守備選手賞にはルディー・ゴベアが選出され、自身4度目の栄誉となった。平均2.1ブロック、0.7スティール、12.9リバウンドを記録し、リーグ1位のディフェンシブレーティング(109.9)を記録したウルブズの守備の大黒柱として活躍した。ゴベアを中心に据えたディフェンスが機能したウルブズは、ウェスト決勝に進出することになる。

シックスマン賞:ナズ・リード

シックスマン賞には、ウェストで大きく躍進したウルブズからナズ・リードが選出された。平均13.5得点を記録し、1試合あたり約3本の3Pを41%という確率で沈めた。リードは、ウルブズにスペーシングとディフェンスをもたらし、多才なビッグマンとして主にベンチからチームを支えた。

MIP(最成長選手)賞:タイリース・マキシー

MIP賞にはフィラデルフィア・76ersのタイリース・マキシーが選出された。ジョエル・エンビードが怪我で離脱したチームを牽引し、前年から大きく数字を伸ばした。平均25.9得点、3.7リバウンド、6.2アシストを記録。自身初のオールスター選出も果たした。

All NBA First Team 2023-2024
(NBA.com)

オールNBAチーム

1st

  • シェイ・ギルジャス・アレクサンダー
  • ルカ・ドンチッチ
  • ジェイソン・テイタム
  • ヤニス・アデトクンポ
  • 二コラ・ヨキッチ

2nd

  • ジェイレン・ブランソン
  • アンソニー・デイビス
  • アンソニー・エドワーズ
  • ケビン・デュラント
  • カワイ・レナード

3rd

  • デビン・ブッカー
  • ステフィン・カリー
  • タイリース・ハリバートン
  • レブロン・ジェームズ
  • ドマンタス・サボニス

オフシーズンの動向

クリスタプス・ポルジンギスとドリュー・ホリデーのセルティックス加入

前年イースト決勝で涙をのんだセルティックスが積極的な補強に動いた。3チーム間トレードで、ウィザーズからポルジンギスを獲得した。この動きはチームの魂であったマーカス・スマートを放出したこともあって、大きな話題を呼んだ。またデイミアン・リラードの大型トレードによって、ブレイザーズに移籍していたホリデーも獲得し、ロスターを大幅に強化することとなった。

【NBAトレード評価】セルティックスがホリデーを獲得したブレイザーズとのトレードをどう見るか

Giannis Antetokounmpo Damian Lillard Milwaukee Bucks
(NBA Entertainment)

デイミアン・リラードのバックス移籍

2021年の優勝以来、プレイオフでの成功から遠ざかっていたバックスがテコ入れを行った。優勝に大きく貢献した司令塔のホリデーを放出し、リラードを獲得。ヤニス・アデトクンポ以外にオフェンスを任せられるスーパースターをロスターに加えた。

【NBAトレード評価】バックスがリラードを獲得したブレイザーズ&サンズとの三角トレードをどう見るか

Bradley Beal
(NBAE via Getty Images)

ブラッドリー・ビールがサンズへ移籍

ウィザーズの顔であったビールが遂に移籍。3チーム間トレードで、サンズはクリス・ポールをウィザーズに放出し、ビールを獲得した。これにより、ブッカー、デュラント、ビールというスコアラーのビッグ3が誕生した。

【NBAトレード評価】ビールとポールをトレードしたサンズとウィザーズをどう見るか

James Harden
(NBAE via Getty Images)

ジェームズ・ハーデンの去就問題

2022年のオフ、ハーデンは76ersの戦力強化のために大幅な減額を受け入れて2年の延長契約を結んだ。それにも関わらずチームは次の延長契約の際に、ハーデンの望む契約を提示しなかった。

結果として、ハーデンがダリル・モーリー球団社長を「嘘つき」と公の場で批判するほどにまで、事態は悪化した。

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その他の主な動き

前年ネッツで活躍を見せた渡邊がサンズと契約。デュラントとの再結集が話題を呼んだ。またウォリアーズは懸念の1つであったプールを、ポールとのトレードでウィザーズに放出した。

  • 渡邊雄太(ネッツ→サンズ)
  • クリス・ポール(サンズ→ウォリアーズ)
  • ジョーダン・プール(ウォリアーズ→ウィザーズ)
  • ブルース・ブラウン(ナゲッツ→ペイサーズ)
  • フレッド・バンブリート(ラプターズ→ロケッツ)

レギュラーシーズン前半戦

James Harden Kawhi Leonard LA Clippers
(NBA Entertainment)

ハーデンがクリッパーズへ移籍

ハーデンの新天地は、シーズン開幕から間もなくして決定した。10月31日、76ersとクリッパーズの間でトレードが成立。クリッパーズが二コラ・バトゥーム、ロバート・コビントンらと引き換えにハーデンを獲得。クリッパーズはレナード、ポール・ジョージ、ラッセル・ウェストブルックに続くベテランスターを手に入れた。

【NBAトレード評価】76ersとクリッパーズによるハーデンのトレードをどう見るか

レイカーズがインシーズントーナメント優勝

NBAはレギュラーシーズンの盛り上がりを狙って、インシーズントーナメントを導入した。初代王者に輝いたのはレイカーズで、決勝ではペイサーズ相手に、123-109で勝利した。MVPにはレブロン・ジェームズが選ばれた。

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Monty Williams, Cade Cunningham 12122023
(NBA Getty Images)

ピストンズが28連敗と大苦戦

新ヘッドコーチにモンティ・ウィリアムズを招聘し、シーズンを迎えたピストンズ。しかし、チームは大いに苦戦し、10月28日に勝利して以来勝つことができなかった。連敗は約2か月間続き、28連敗というNBA記録を打ち立ててしまった。連敗を止めたのは12月30日のラプターズ戦で、カニングハムが30得点、12アシストを記録した。

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Luka Doncic Mavericks Hawks
(Getty Images)

相次ぐハイスコアリングゲーム

年が明けた2024年1月には、連日のように高得点を記録する選手が現れた。1月22日には、エンビードがスパーズ戦で70得点を記録し、カール・アンソニー・タウンズもホーネッツ戦で62得点をマークした。

3日後の1月26日には、ブッカーがペイサーズ戦で62得点を記録。ルカ・ドンチッチはホークス戦で73得点を記録し、2023-24シーズンの最多得点を叩き出した。1試合73得点は、ウィルト・チェンバレン(100得点、78得点)とコービー・ブライアント(81得点)に次ぐ歴代4位タイの記録となった。

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60得点オーバー、複数選手、同じ日の試合、と盛りだくさんの記録ということで、記憶に残っている方も多いのではないだろうか?

その他の主な出来事

  • マーベリックスが30-0のランを記録(12月2日vsサンダー)

  • ドレイモンド・グリーンがゴベアをヘッドロックして出場停止(11月15日)

  • ウェストブルックが25,000得点達成

2024年2月2日のピストンズ戦で、ウェストブルックは史上25人目となる通算25,000得点を達成した。

トレードデッドラインの動向

ダニエル・ギャフォードとPJ・ワシントンがマブスへ

ドンチッチ擁するマブスが大きく動いた。ウィザーズからダニエル・ギャフォードを獲得し、ドンチッチと相性の良いセンターを手に入れた。ホーネッツからは、フィジカルで、ディフェンスに優れたウィングのPJ・ワシントンを獲得。

カイリー・アービングとドンチッチを中心としたチームに、フロントコートの厚みを加えたマーベリックス。彼らはこのトレード以降、快進撃を見せることになる。

Tyrese Haliburton and Pascal Siakam
(NBAE via Getty Images)

パスカル・シアカムのペイサーズ移籍

ハリバートンを中心としたチーム作りを進めるペイサーズが、スターの獲得に成功した。運動能力に優れ、ハリバートンの速いペースと相性の良いシアカムをチームに加えた。

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その他の主なトレード

  • OG・アヌノビー(ラプターズ→ニックス)
  • RJ・バレット(ニックス→ラプターズ)
  • テリー・ロジアー(ホーネッツ→ヒート)
  • ゴードン・ヘイワード(ホーネッツ→サンダー)
  • 渡邊雄太(サンズ→グリズリーズ)

オールスターまでのカンファレンス順位

イースト

順位チーム勝敗
1セルティックス43-12
2キャバリアーズ36-17
3バックス35-21
4ニックス33-22
576ers32-22
6ペイサーズ31-25
7マジック30-25
8ヒート30-25
9ブルズ26-29
10ホークス24-31
11ネッツ21-33
12ラプターズ19-36
13ホーネッツ13-41
14ウィザーズ9-45
15ピストンズ8-46

ウェスト

順位チーム勝敗
1ティンバーウルブズ39-16
2サンダー37-17
3クリッパーズ36-17
4ナゲッツ36-19
5ペリカンズ33-22
6サンズ33-22
7マーベリックス32-23
8キングス31-23
9レイカーズ30-26
10ウォリアーズ27-26
11ジャズ26-30
12ロケッツ24-30
13グリズリーズ20-36
14トレイルブレイザーズ15-39
15スパーズ11-44

オールスター

Stephen Curry vs. Sabrina Ionescu
(Getty Images)

カリーvsサブリナ

歴代No.1シューターのカリーと、WNBA随一のシューターのサブリナ・イオネスクの3P対決が実現した。

先攻のサブリナが26点を記録し、カリーにプレッシャーをかける。しかし、後攻のカリーは何事もなかったように29得点をマークし、カリーに軍配が上がった。

【関連記事】ステフィン・カリーがサブリナ・ヨネスクーとの3P対決を制する

Damian Lillard
(Getty Images)

オールスターゲーム

2018年以来、キャプテンによるドラフト形式が採用されていたオールスターゲーム。2024年は、従来の東西対決の形式が採用された。試合は211-186でイーストがハイスコアゲームを制し、MVPには3P11本成功を含む39得点を記録した、リラードが選ばれた。

【関連記事】イーストが初の200点越えでウェストに勝利 MVPはリラード:結果・ハイライト

レギュラーシーズン後半戦

セルティックス、サンダーらの上位陣は安定した戦いを見せ、トレードで大きく動いたマーベリックスも勝ち星を積み重ねた。ロケッツはジェイレン・グリーンが覚醒し、3月は13勝2敗の成績を残すなど話題を呼んだ。

好調だったチーム(オールスターブレイク後)

  • セルティックス(21勝6敗)
  • マーベリックス(18勝9敗)
  • ナゲッツ(21勝6敗)
  • サンダー(20勝8敗)
  • ロケッツ(17勝11敗)
  • ウォリアーズ(19勝10敗)
LeBron James
(Getty Images)

レブロンがレギュラーシーズン通算4万得点に到達

3月2日のナゲッツ戦、通算4万得点まで残り9として迎えたレブロンジェームズ。第2クォーターにレイアップを決め、4万得点の大台を達成した。NBA史上初の偉業であった。

【関連記事】レブロン通算4万得点を達成もレイカーズはナゲッツに敗北

レギュラーシーズン終了時点の順位

イースト

順位チーム勝敗
1セルティックス64-18
2ニックス50-32
3バックス49-33
4キャバリアーズ48-34
5マジック47-35
6ペイサーズ47-35
776ers47-35
8ヒート46-36
9ブルズ39-43
10ホークス36-46
11ネッツ32-50
12ラプターズ25-57
13ホーネッツ21-61
14ウィザーズ15-67
15ピストンズ14-68

ウェスト

順位チーム勝敗
1サンダー57-25
2ナゲッツ57-25
3ティンバーウルブズ56-26
4クリッパーズ51-31
5マーベリックス50-32
6サンズ49-33
7ペリカンズ49-33
8レイカーズ47-35
9キングス46-36
10ウォリアーズ46-36
11ロケッツ41-41
12ジャズ31-51
13グリズリーズ27-55
14スパーズ22-60
15トレイルブレイザーズ21-61

プレイオフ

Kyrie Irving Luka Doncic Dallas Mavericks
(NBA Entertainment)

1回戦

イーストでは怪我人が相次いだ。ヒートはジミー・バトラーが、バックスはアデトクンポが怪我のため欠場。76ersはエンビードが怪我を押して出場した。キャブスvsマジックは7戦までもつれる激戦となった。

イースト

  • セルティックス 4-1 ヒート
  • ニックス 4-2 76ers
  • バックス 2-4 ペイサーズ
  • キャバリアーズ 4-3 マジック

ウェスト

ウェストは上位3チームが危なげなく勝利。マーベリックスがシーズン後半戦の勢いのままに、クリッパーズを撃破した。

  • サンダー 4-0 ペリカンズ
  • ナゲッツ 4-1 レイカーズ
  • ティンバーウルブズ 4-0 サンズ
  • クリッパーズ 2-4 マーベリックス
Nikola Jokic Denver Nuggets & Anthony Edwards Timberwolves 051824
getty images

カンファレンスセミファイナル

イースト

イーストはセルティックスがキャブスを圧倒。ニックスとペイサーズのシリーズは、第7戦までもつれる激戦となった。ニックスは主力選手の疲労の色が隠せず、ペイサーズの前に敗れた。ジョシュ・ハートが第1、2戦で48分出場したことは大きな話題を呼んだ。

  • セルティックス 4-1 キャバリアーズ
  • ニックス 3-4 ペイサーズ

ウェスト

ウェストでは上位シードがともに敗れる展開になった。特にナゲッツとウルブズのシリーズは第7戦までもつれ、最終的にウルブズが勝利した。ゴベア、タウンズのツインタワーを擁し、正にナゲッツキラーとも言える布陣で前年王者を破った。

  • サンダー 2-4 マーベリックス
  • ナゲッツ 3-4 ティンバーウルブズ

カンファレンスファイナル

イースト

イーストはセルティックスがペイサーズをスイープ。しかし3試合が5点差以内と、拮抗したシリーズとなった。

  • セルティックス 4-0 ペイサーズ

ウェスト

ウェストはマーベリックスがウルブズを5戦で撃破した。アービングとドンチッチがウルブズのディフェンスを攻略し、ギャフォード、ライブリーのインサイドも大暴れした。

  • ティンバーウルブズ 1-4 マーベリックス
Luka Doncic Dallas Mavericks Jayson Tatum Boston Celtics
(NBA Entertainment)

NBAファイナル

NBAファイナルではセルティックスがマーベリックスを圧倒。第1戦ではポルジンギスが怪我から復帰し、3Pにポストプレイと、要所でマブスの流れを断ち切った。

マブスも第4戦で一矢報いたが、シリーズを通して攻撃の起点のドンチッチとアービングが苦しんだ。セルティックスはデリック・ホワイトとホリデーを筆頭にとした隙のないディフェンスと、3Pを中心としたバランスの良いオフェンスでNBAの頂点に立った。NBAファイナルMVPには、平均20.8得点を記録したジェイレン・ブラウンが選ばれた。

  • セルティックス 4-1 マーベリックス
Celtics NBA champions FTR 06172024
(The Sporting News Illustrations)

2023-24シーズンはどんなシーズンだったのか?

2023-24シーズンは、多くのスター選手の移籍とともに幕を開けた。ビール、リラードといったフランチャイズプレイヤーがチームを離れ、優勝を目指して新天地を求めた。

またインシーズントーナメントやカリーvsサブリナの対決といった、新たな試みも見られた。

シーズンを通してセルティックスが東を支配し続け、トレードデッドライン以降調子を上げたマーベリックスが西を制覇した。

最終的にはセルティックスが優勝。コート上の5人全員が優れた3Pシューターであり、エースはリーグ屈指のオールラウンダーのジェイソン・テイタムというセルティックスは、現代のポジションレスバスケの象徴ともいえるチームであった。

小野春稀 Haruki Ono

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。大学生。元はスポーティングニュースのNBAニュースを毎日楽しみにしていた読者であったが、今では縁あってライターとして活動している。小学生の時にカイリー・アービングのドリブルに魅了されNBAの虜に。その影響で中高6年間はバスケに熱中した。主にNBAの記事を執筆している。