NBAでは以前も活躍した米国外出身選手たちがいる。だが近年、特にビッグマン中心に、米国外出身選手たちはリーグを圧倒してきた。
5月21日(日本時間22日)、NBAはオクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーが、2024-2025シーズンの最優秀選手賞(MVP)を受賞したことを発表した。米国外出身選手のMVP受賞が続いているかたちだ。
ここでは、最後にMVPを受賞したアメリカ人選手や、MVPを受賞した米国外出身選手たちをまとめる。
NBAで最後にMVPを受賞したアメリカ人選手は?
2017-2018シーズンにヒューストン・ロケッツで平均30.4得点、8.8アシスト、5.4リバウンドを記録したジェームズ・ハーデンだ。以降、アメリカで生まれ、NBAでMVPを受賞した選手は出ていない。
このシーズンのロケッツはレギュラーシーズンで65勝をマーク。ハーデンはレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスらを制し、マイケル・ジョーダン・トロフィーを手にした。
ハーデンの受賞以降、7シーズンにわたって米国外出身選手のMVP受賞が続いている。ただ、受賞したのは4選手だ。一方、ハーデン以前は11シーズンにわたって米国外出身選手のMVP受賞はなく、2007年のダーク・ノビツキーまでさかのぼる。
現在の米国外出身選手のMVP受賞の流れは、2018-2019シーズンからのものだ。60勝したミルウォーキー・バックスで平均27.7得点、12.5リバウンド、5.9アシストを記録したヤニス・アデトクンボが、ハーデンを制して受賞した。アデトクンボは2019-2020シーズンにも2年連続でMVPを受賞している。
翌2020-2021シーズンからも2年連続で米国外出身選手がMVPを受賞した。デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチだ。オールラウンドに見事なインパクトと数字を残し、ヨキッチは2024年にもMVPを受賞。4年間で3回のMVP受賞を達成している。3回受賞は2012年のジェームズ以来だ。
その4年間でヨキッチが受賞できなかった2022-2023シーズンにMVPに選ばれたのは、フィラデルフィア・76ersで平均33.1得点をあげたジョエル・エンビードだ。そして2024-25シーズンのギルジャス・アレクサンダーと、米国外出身選手のMVP受賞が続いた。
ここ7シーズンの米国外出身選手のMVP受賞は以下のとおり。
シーズン | MVP受賞者 | 出身地 | MVP投票2位 |
2018-19 | ヤニス・アデトクンボ | ギリシャ | ジェームズ・ハーデン |
2019-20 | ヤニス・アデトクンボ | ギリシャ | レブロン・ジェームズ |
2020-21 | ニコラ・ヨキッチ | セルビア | ジョエル・エンビード |
2021-22 | ニコラ・ヨキッチ | セルビア | ジョエル・エンビード |
2022-23 | ジョエル・エンビード | カメルーン | ニコラ・ヨキッチ |
2023-24 | ニコラ・ヨキッチ | セルビア | シェイ・ギルジャス・アレクサンダー |
2024-25 | シェイ・ギルジャス・アレクサンダー | カナダ | ニコラ・ヨキッチ |
MVPを受賞した米国外出身選手たち
2019年のアデトクンボの初受賞以前、米国外出身選手でNBAのMVPを受賞したのは4選手だけだった。
直近でギルジャス・アレクサンダーが加わったMVP受賞の米国外出身選手たちは以下のとおりだ。
選手 | MVP受賞年 | 出身地 |
アキーム・オラジュワン | 1994 | ナイジェリア |
ティム・ダンカン | 2002、 2003 | アメリカ領ヴァージン諸島 |
スティーブ・ナッシュ | 2005、 2006 | カナダ |
ダーク・ノビツキー | 2007 | ドイツ |
ヤニス・アデトクンボ | 2019、 2020 | ギリシャ |
ニコラ・ヨキッチ | 2021、 2022、 2024 | セルビア |
ジョエル・エンビード | 2023 | カメルーン |
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー | 2025 | カナダ |
原文:Who was the last American to win NBA MVP? Streak of international winners continues in 2025(抄訳)
翻訳:坂東実藍