ドレイモンド・グリーンの出場停止処分の歴史

Dan Treacy

Kyle Irving

小野春稀 Haruki Ono

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ウォリアーズのドレイモンド・グリーンのようなNBA選手は他にいない。

彼をルーズキャノン(制御不能な人物)、ディフェンスの脅威、あるいはそれ以外のなにかと考えるにせよ、グリーンが勝ち方を知っていることは確かだ。しかし、彼の気性の激しさは、時に彼とチームに代償をもたらしてきた。

現在行われているNBAプレイオフ2025でも、グリーンはフレグラントファウルが2ポイント、テクニカルファウルを4度宣告されている。フレグラントファウルは4ポイント、テクニカルファウルは7回で出場停止処分の対象となる。

グリーンはNBAで出場停止処分を受けた過去があり、テクニカルファウルを犯す傾向があるため、また出場停止処分を受ける可能性がある。この元ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーのふざけた態度のために、以前にもNBAの大舞台でグリーンを欠いた経験があるウォリアーズにとっては、常に懸念の1つだ。

スポーティングニュースがグリーンの出場停止処分の歴史を詳しくまとめる。

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ドレイモンド・グリーンは、何回出場停止処分を科されたのか?

グリーンはNBAキャリアで6度の出場停止処分を受けている。227回の罰金を受けたが、そのほとんどはテクニカルファウルによる少額の罰金だった。

2024-25シーズンのNBAでは、リーグからだけでなく、チームからの処分を含め、リーグ全体で21件の出場停止処分が下された。これは2023-24シーズンの17件に比べれば急増しているが、2022-23シーズンのNBAの32件に比べれば遥かに少ない。

NBAでは通常、1シーズン平均で1チームにつき約1回の出場停止処分しか科されないため、1人の選手が6回の出場停止処分を科されるのは、たとえ13年間の長いキャリアを通したものではあっても、多いといえる。

ドレイモンド・グリーンの出場停止の歴史

グリーンのNBAキャリアにおける6度の出場停止処分について詳しく見てみよう。※内容は逆時系列

2023年:ユスフ・ヌルキッチを殴打し無期限の出場停止

ルディ・ゴベアとの騒動から1カ月も経たないうちに、グリーンが腕を振り回し、サンズのユスフ・ヌルキッチの側頭部を殴打し、再び注目を集めた。

グリーンが腕を振り回す前、両者は少し小競り合いをしていたが、審判はすぐにグリーンの行為が「過剰」だと判断し、退場処分にした。

その4週間前に5試合の出場停止処分を受けたばかりだったため、NBAはグリーンに無期限の出場停止処分を選択し、復帰までに一定の条件を満たさせることにした。この出場停止処分は最終的に12試合に及び、罰金は180万ドル以上となった。

2023年:ルディ・ゴベアにヘッドロックして5試合の出場停止

グリーンはティンバーウルブズ戦での乱闘でNBAから5試合の出場停止処分を受けた。

2023年11月14日、ウォリアーズ対ティンバーウルブズ戦で、グリーンはクレイ・トンプソンとジェイデン・マクダニエルズの口論に割って入り、ミネソタのセンター、ルディ・ゴベアの首を絞めた。グリーンはその行為により退場処分となり、トンプソンとマクダニエルズも喧嘩を始めたとして退場処分となった。

2023年:ドマンタス・サボニスの胸部を踏みつけ出場停止 

NBAはプレーオフの1戦で、キングスのドマンタス・サボニスの胸を踏んだとして、グリーンに1試合の出場停止処分を科した。

グリーンはこのファウルで退場処分となった。リプレイを見ると、グリーンは、サボニスに足を掴まれた後、サボニスの胸に直接足をかけ、その胸を踏み台にしてジャンプしているように見えた。

ウォリアーズは第2戦を終えてシリーズを2-0とリードされていたが、第3戦はグリーンを欠いたままアウェーで勝利。最終的に、ウォリアーズは第2ラウンドでレイカーズに敗れた。

2023年:年間16回目のテクニカルファウルを犯し出場停止に

2022-23シーズン終盤、グリーンは今季16回目のテクニカルファウルを受け、1試合の無給での出場停止処分を余儀なくされた。

NBAのルールでは、レギュラーシーズン中に16回目のテクニカルファウルを受けると、選手は自動的に1試合の無給出場停止となる。レギュラーシーズン中にさらに2回テクニカルファウルを受けるごとに、選手はさらに1試合の無給出場停止となる。

グリーンは3月15日のウォリアーズ対クリッパーズ戦で16回目のテクニカルファウルを受けた。彼は3月17日のホークス戦で1試合の出場停止処分を受けた。

2018年:ケビン・デュラントと口論し出場停止に

2018年、ウォリアーズはチームメイトのデュラントとの口論を理由に、グリーンに1試合の無給出場停止処分を科した。

レギュラーシーズンのクリッパーズ戦の終了間際、グリーンはリバウンドを取り、デュラントがボールを要求していたにもかかわらず、自分でボールを運びターンオーバーした。ウォリアーズはシュートを決められず、結局延長戦の末に敗れたが、グリーンとデュラントはベンチで激しい口論を繰り広げた。

この口論は試合後のロッカールームにまで持ち込まれ、デュラントが最終的にゴールデンステイトを去るきっかけとなったことは、グリーンとデュラントの両者も認めている。

2016年:NBAファイナル第4戦でレブロンと口論し、第5戦を出場停止に

グリーンの出場停止処分の中で最も有名なのは2016年のNBAファイナルだ。彼の出場停止によってウォリアーズが優勝を逃したと多くの人が感じている。第4戦、グリーンとレブロンがハーフコートでもつれ合い、レブロンがグリーンを踏み越えようとしたとき、グリーンが腕を伸ばしてジェイムスの鼠蹊部に接触した。

最初の判定はダブルファウルだったが、NBAは試合後にこのプレーを見直し、グリーンの行為はフレグラント1に値すると判断。グリーンは2016年のNBAプレーオフですでにフレグラントが3点累積しており、4点目によって第5戦の出場停止処分となった。

レブロンはキャバリアーズを3勝1敗から優勝に導き、歴史的な第7戦でウォリアーズを敵地で下した。

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ドレイモンド・グリーンの物議を醸した瞬間

上記以外にも、グリーンは何度も出場停止に近い処分を受けている。

カンファレンス決勝でスティーブン・アダムスの股間を蹴る

2016年、グリーンはカンファレンス決勝のサンダー戦でスティーブン・アダムスの股間を蹴り、フラグラント1を取られた。翌試合の出場停止処分は免れたが、25,000ドルの罰金が科せられた。

ブラッドリー・ビールとの口論

2017年には、ブラッドリー・ビールと口論になり、25,000ドルの罰金を科せられた。

ジョーダン・プールの顔面を殴る

グリーンは2022-23シーズン前の練習中にチームメイトのジョーダン・プールの顔面を殴った。

デュラントの時と同様、チームから出場停止処分が下されるだろうと考えられていたが、チームはグリーンに罰金を科し、数日間チームに帯同させないという処分にとどめた。

グリーンは結局、ウォリアーズのプレシーズン最終戦に出場し、物議を醸しながらもシーズン初戦に出場することができた。

ハーブ・ジョーンズとの乱闘騒ぎ

2022-23レギュラーシーズン終了間際、グリーンはペリカンズのフォワード、ハーブ・ジョーンズに絡まれ、またも乱闘騒ぎを起こした。グリーンはジョーンズの背中を蹴ったように見えたが、それ以後は言葉を交わした以外は何もなかった。

Spotracよると、6度の出場停止に加え、グリーンはNBAキャリアで合計208回のテクニカルファウルを犯し、罰金として93万8000ドルを支払っているようだ。

グリーンを欠いたウォリアーズの成績

グリーンを出場停止で欠いたときのウォリアーズは、11勝10敗という成績だ。(プレイオフでは1勝1敗)

ウォリアーズが2016年のNBAファイナルでグリーン抜きの第5戦を落とし、6、7戦も落としてキャバリアーズに逆転優勝されたことは有名な話だ。一方、2023年キングスとの西1回戦ではグリーン抜きの第3戦を制し、そのままシリーズを突破した。

2023-24シーズンの2度の出場停止期間中、ウォリアーズはグリーン抜きで9勝8敗だった。最初の出場停止処分では2勝3敗と低迷したが、2度目の処分では5連勝で7勝5敗とした。

原文:Draymond Green suspension timeline: Inside Warriors star's history of fouls, cheap shots & fights during NBA career

抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)

Dan Treacy

Dan Treacy is a content producer for Sporting News, joining in 2022 after graduating from Boston University. He founded @allsportsnews on Instagram in 2012 and has written for Lineups and Yardbarker.

Kyle Irving

You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

小野春稀 Haruki Ono

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。大学生。元はスポーティングニュースのNBAニュースを毎日楽しみにしていた読者であったが、今では縁あってライターとして活動している。小学生の時にカイリー・アービングのドリブルに魅了されNBAの虜に。その影響で中高6年間はバスケに熱中した。主にNBAの記事を執筆している。