アーロン・ジャッジは、魔法の数字から遠ざかってはいない。
現地時間6月7日現在、ニューヨーク・ヤンキースのスーパースターは打率.397を記録している。
野球ファンの心の奥底には、「最終的には、さすがにジャッジも打率.400から離れていくだろう」という予感がずっとあるだろうが、本当にそうだろうか。
これは小さなサンプルサイズではなく、明らかに偶然の産物でもない。
ジャッジは地球上で最も偉大な打者であり、史上最高の打者の一人だ。そんな彼が今、1941年にテッド・ウィリアムズが記録した打率.406以来、誰も達成していない歴史的偉業に挑んでいる。
もちろん、まだ道のりは長い。
ヤンキースはここまで62試合を消化しており、あと100試合残っている。
現時点でジャッジは232打数92安打。打率.400でシーズンを終えるには、最終的に600打数240安打程度が必要になるだろう。
つまり、残りの試合で368打数148安打(=打率.402)というペースを維持できれば、達成の可能性が出てくる。それは不可能な数字ではない。
近年、この領域に迫った選手はほとんどいない。投手のレベルも守備シフトの技術も格段に向上しており、「野手のいないところに打つ」ことはこれまでになく困難になっている。
ジャッジはそれを解決する一つの方法として、本塁打を量産している(ここまで21本塁打)。それに加えて、17二塁打、2三塁打も記録している。
ただ、ジャッジはシングルヒット(単打)も52本放っており、打撃面でほぼ非の打ちどころがない。
とはいえ、長いシーズンではさまざまな困難が待ち受けている。ちょっとしたケガや、一度のスランプがこの夢のような記録を台無しにしてしまうかもしれない。
しかし、アーロン・ジャッジは本気で「打率.400」を視野に入れている。そして、本当にその数字をつかみ取るかもしれない。
原文:Yankees’ Aaron Judge chase for .400 batting average is really happening
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)