ワールドシリーズ第5戦の結果がどうであれ、ドジャー・スタジアムでの試合は今年が最後で、次に開催されるのは2026年までない。
シリーズは必ずカナダに戻ることが決まった。トロント・ブルージェイズが第4戦に勝利し、ロサンゼルス・ドジャースは自陣での優勝のチャンスを逃したからだ。つまり、ドジャースは昨年のブロンクス同様、アウェーで優勝を決める必要がある。
第5戦はワールドシリーズの流れを大きく左右する試合となる。ブルージェイズの前に立ちはだかるのは、ドジャースのユニフォームを着て最初のシーズンの大半を欠場したものの、シーズン終盤とポストシーズン初戦で圧倒的な投球を見せたピッチャーだ。一方、トロントは10月に入っても全く臆する様子のない注目の新人投手を再び先発させる。
ここでは、2025年ワールドシリーズ第5戦の先発投手を紹介する。
▶【速報】ワールドシリーズ第5戦ドジャースvsブルージェイズ
ドジャース対ブルージェイズ第5戦の先発投手は?
ドジャースとブルージェイズともにブレイク・スネルとルーキーのトレイ・イェサベージが第1戦の再戦として先発を務める予定だ。
ブルージェイズとしては、第1戦の流れをもう一度味わいたいところだ。第1戦ではスネルが序盤のピンチを切り抜けたものの、最終的にはトロントが攻略した。その後ドジャースのリリーフ陣もブルージェイズの勢いを抑えられず、6回に一挙9失点でシリーズ先勝を許した。
しかし今、その記憶はブルージェイズにとって遠い過去のものとなっている。第1戦の勢いをスネル相手に再現しようとする一方で、2度のサイヤング賞を受賞しているスネルが持つ最も凶悪な球質に対して警戒も怠れない。
一方のイェサベージにとって、第5戦はこれまで経験したことのない試練となるだろう。これまでのポストシーズン4試合はいずれもホームでの登板であり、第5戦は厳しいアウェー環境での登板となる。
これまでイェサベージは、自分の調子が万全でないときも冷静さを保ってきた。しかし、第5戦でアウェーの厳しい環境でもその落ち着きを維持できるかどうかが最大の焦点となる。
ブレイク・スネルの2025年成績
| シーズン | 登板数 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 | 奪三振 | 与四球 | 被安打 | 自責点 | WHIP |
| レギュラーシーズン | 11 | 5-4 | 61.1 | 2.35 | 72 | 26 | 51 | 16 | 1.26 |
| ポストシーズン | 4 | 3-1 | 26.0 | 2.42 | 32 | 8 | 14 | 7 | 0.85 |
スネルは肩のケガで約4か月を欠場したが、復帰後はほとんどブランクを感じさせなかった。スネルはレギュラーシーズン最後の8先発で防御率2.09を記録し、最後の3試合ではわずか1失点に抑え、ロサンゼルスはナショナルリーグ西地区制覇を決めた。
優れた奪三振能力を持つ一方で制球に難があることで知られるスネルだが、シンシナティ・レッズとミルウォーキー・ブルワーズ戦ではその問題を抑え込んだ。しかし、フィラデルフィア・フィリーズとの第1戦では4四球、WS第1戦のブルージェイズ相手に3四球を出した。トロントはスネルが今ポストシーズンで初めて2度対戦するチームとなる。
スネルvsゲレーロJr.の対戦成績
| シーズン | 試合 | 打席 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 四球 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
| レギュラーシーズン | 5 | 9 | 2 | 0 | 1 | 0 | 3 | .222 | .417 | .333 | .750 |
| ポストシーズン | 2 | 4 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | .250 | .400 | .250 | .650 |
スネルはこれまでの対戦が限られている中ではあるが、ゲレーロ相手に成功を収めており、7試合でホームランを許さず、レギュラーシーズンでは打率.222に抑えている。
しかし、WS第1戦ではゲレーロに対して2打数1安打(1四球)という結果だった。
トレイ・イェサベージの2025年成績
| シーズン | 登板数 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 | 奪三振 | 与四球 | 被安打 | 自責点 | WHIP |
| レギュラーシーズン | 3 | 1-0 | 14.0 | 3.21 | 16 | 7 | 13 | 5 | 1.43 |
| ポストシーズン | 4 | 2-1 | 19.0 | 4.26 | 27 | 10 | 14 | 9 | 1.26 |
イェサベージはすでにメジャーリーグの投手として、レギュラーシーズンの先発よりも多くのポストシーズン先発を経験しており、今回のポストシーズン第5戦での先発は、今後のキャリアがどうであれ、彼にとっておそらく最大の試練となるだろう。
新人のイェサベージはニューヨーク・ヤンキースとの地区シリーズで5.1回を投げ、ノーヒットピッチングと圧巻のポストシーズンデビューを飾った。シアトル・マリナーズとの優勝決定シリーズ第2戦では敗戦投手になったものの、第6戦では勝利投手となった。最高の投球ではなかったものの、ワールドシリーズ第1戦ではブルージェイズのために4イニングをしっかり投げ、2失点でチームの勝利に貢献した。
レギュラーシーズンでは14イニングで防御率3.21、3試合で16奪三振を記録している。第5戦は彼にとってポストシーズン初のアウェイでの先発登板となる。
イェサベージvs大谷翔平の対戦成績
| シーズン | 試合 | 打席 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 四球 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
| ポストシーズン | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | .000 | .000 | .000 | .000 |
イェサベージはシリーズ初打席で大谷翔平を三振に仕留め、2回の第2打席でもゴロで打ち取り、第1戦ではドジャースのスーパースターを完璧に封じた。
メジャーでの経験は限られているものの、第1戦でのワールドシリーズ初先発で三振を奪うことで、プレッシャーにひるまないことを証明した。今回、アウェイでの先発では、同じ結果を出せるかどうかが問われることになる。
原文:World Series Game 5 starting pitchers: Dodgers ace Blake Snell gets rematch with Blue Jays rookie Trey Yesavage
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)
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