ナショナルリーグ西地区のライバルであるロサンゼルス・ドジャースとの争いに挑むサンフランシスコ・ジャイアンツが、一発逆転の勝負に出た。
現地時間6月15日の夜、「Sunday Night Baseball」直前に、ジャイアンツはボストン・レッドソックスから主砲ラファエル・デバースを獲得する驚きの大型トレードを成立させた。28歳のデバースは2023年にボストンと10年契約を結んでおり、オールスター選出3度の実績を誇る。
しかし、ボストン・グローブ紙のピート・エイブラハム記者によれば、レッドソックス首脳陣はデバースが大型契約に見合うリーダーシップを発揮していないと判断し、我慢の限界に達していたという。
今季序盤からデバースはネガティブな話題で注目を集めていた。アレックス・ブレグマンの加入により三塁のポジションを明け渡すことになったが、三塁にとどまると約束されていたことから本人は公然と不満を表明した。一塁へのコンバートを打診された際も、トリストン・カサスがシーズン絶望となった状況にもかかわらず、強く難色を示していた。
だが、とはいえ今回の移籍は、レッドソックスとジャイアンツの内部関係者以外には完全なサプライズだった。
ラファエル・デバースのトレード詳細
ジャイアンツ獲得:
- ラファエル・デバース
レッドソックス獲得:
- カイル・ハリソン
- ジョーダン・ヒックス
- ジェームズ・ティブス
- ホセ・ベロ
報道によれば、ジャイアンツは投手のカイル・ハリソンとジョーダン・ヒックスに加え、有望株のジェームズ・ティブスとホセ・ベロを含むパッケージをレッドソックスに提示した。
ハリソンは元トッププロスペクトで、まだ23歳。ヒックスは今季ジャイアンツで先発転向を試みたものの不振によりリリーフに再転向したばかりのベテランだ。
ティブスは2024年のドラフトでフロリダ州立大学から1巡目で指名された逸材で、今季シングルAでOPS.857、12本塁打を記録している。20歳のベロは、今季ルーキーリーグでリリーフとして登板している。
一方、デバースは2033年まで契約が残っており、ジャイアンツでの長期滞在が確定。この契約がレッドソックスの台帳から外れることで、ローマン・アンソニー、マルセロ・メイヤー、クリスチャン・キャンベルといった若手有望内野手3人が戦力の中心になることが期待されている。
ラファエル・デバースの契約内容
デバースは2023年1月、レッドソックスと10年総額3億1350万ドルの契約延長を結んでいた。この契約は2024年から始まり、2033年(36歳のシーズン)まで続く。
報道によれば、ジャイアンツはデバースの契約を全額負担する見通しで、金銭のやり取りはない。つまり、ジャイアンツはレッドソックスでは扱いづらいとされ始めていたスター選手に対して、莫大な責任を引き受ける決断を下したことになる。
その一方で、レッドソックスは大きな年俸枠を空けると同時に、ブレグマンと若手トリオによる新たな打線の軸構築へと舵を切った形だ。
原文:Rafael Devers trade details: Why Red Sox dealt disgruntled star to Giants in shocking multi-player deal
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)