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【元競馬記者が解説】スプリンターズステークス2025 全頭追い切り診断

阿部泰斉 Taisei Abe

【元競馬記者が解説】スプリンターズステークス2025 全頭追い切り診断 image

Jiji press

スプリンターズSでスプリントG1春秋制覇に期待ががかるサトノレーヴ(写真右)

9月28日(日)、中山競馬場でスプリンターズS(G1、芝1200メートル)が行われる。秋の最速馬を決める戦いに、今年も注目メンバーが名を連ねた。

春秋制覇に挑むサトノレーヴ 同レース連覇に挑むルガル 秋の中山に豪華メンバー集結!

主役はスプリントG1春秋制覇がかかるサトノレーヴ(牡6、堀)。3月の高松宮記念でG1初勝利を決めると、4月にはスプリントの本場・香港で行われたチェアマンズスプリントプライズに出走。地元の短距離最強馬・カーインライジングの2着に入り、高い力を証明した。

他にも昨年の覇者で連覇がかかるルガル(牡5、杉山晴)、香港からの刺客ラッキースワイネス(セ7、マン)など豪華メンバーがそろった。

ここではスプリンターズS2025の全頭調教診断を行う。

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スプリンターズS2025 全頭調教診断

近年の勝利馬の傾向は坂路でのフットワークが目立つ馬だ。特に、鞍上に強く追われることがないまま好時計をマークしている馬に注目したい。

ウインカーネリアン【順調な調整過程】

1週前:ウッドコースで3頭併せ。最内を回って最先着。直線で手前を替えた点は気になるが、おおむねフットワーク良く走破。8歳馬でも元気十分だ。

 

当週:ウッドコースで併せ馬。先着。全体時計は遅めだが、終始馬なりでの内容で問題なし。直線では先行馬を楽に追い抜かすなど、調子は好調と言って良し。ここまでの過程は順調。

カピリナ【気合まずまず】

1週前:坂路で併せ馬。先着。時計も含めて強く追われた訳ではなかったが、手前の替えもスムーズでここまでは順調。最終追い切り次第。

 

当週:坂路で併せ馬。先着。時計的にはしまい重点の内容だったが、動きは前進気勢が感じられて好印象。今年シルクロードSの際はゆったりとした雰囲気の動きで、内容がレースに直結した。それ以上の出来にはある。

カンチェンジュンガ【前走の状態をキープ】

1週前:坂路で単走追い。鞍上は強く促すことなく、状態を維持する目的の内容とみて取れる。内容的には出来落ちしている雰囲気はなく、前走ほどの状態にありそう。

 

当週:坂路で坂井騎手が騎乗し、単走追い。時計は遅かったが、前走から間隔も詰まったローテに加えて鞍上も持ったままで問題なし。馬体の出来も前走同様の状態にあり、仕上がったと言える。

サトノレーヴ【凄まじいフットワーク】

当週:モレイラ騎手を背に、ウッドコースで併せ馬。先着。昨年同時期と比較して脚の上がり方が格段に良化。進化した姿で昨年のリベンジへと挑みそうだ。

ジューンブレア【もう少し気合欲しいか】

1週前(水曜):坂路で単走追い。同馬は土曜日が本追い切りのため、そこに向けて馬なりで楽なフットワークで走破。前走の1週前は併せ馬を行っていたが、今回は単走な点は気になる。

 

当週(水曜):Cウッドコースで単走追い。土曜日に坂路で強い負荷を掛けた併せ馬を行ったため、ここはさらっと。態勢は整った。個人的には絶好調時の気合が好みで、そこに届いていない様にも思えるが…。

ダノンマッキンリー【勉強重視の内容】

1週前:Cウッドコースで単走追い。難しい同馬を気持ち良く走らせるのではなく、勉強させながらの内容。間隔や同馬のこれまでと比較すると速くない時計で、内容重視の追い切りとなった。その影響か、直線では逆手前で走る場面が見られた。

 

当週:Cウッドで単走追い。短い距離で、抑えながらの調整内容。直線は逆手前で走破したが、昨年勝利したスワンSでは直線半ばまで逆手前だったため、今回の様な抑えた調教は悪くない。

トウシンマカオ【坂路オンリーでの仕上げで?】

1週前:坂路で単走追い。間隔が詰まっていることもあり、ここで仕上げるよりは当週と含めて作っていくテーマか。鞍上の手が大きく動くことはなかったが、時計は締まった。

 

当週:坂路で併せ馬。先着。この馬としては珍しく、中間ウッドで時計を出すことなく坂路のみで仕上げた。動き自体は手応え良く最後まで伸びており、言及することはない。過程の変更がどう出るか。

ドロップオブライト【状態キープ】

当週:坂路で単走追い。全体時計は遅めだが、今夏は毎月出走していることと、1週前に負荷を掛けているためにさらっとで大丈夫。前走ほどの状態にはありそう。ただ、好調時は脚の上がり方が弾むような形になる同馬。絶好調ではないようにも見える。

ナムラクレア【昨年と同じぐらいの出来に】

1週前:坂路で併せ馬。先着。早々と僚馬を置いていくと、あとは1人旅。ルメール騎手が騎乗していることもあり、時計は速くなったがそれに比例するように脚も動いた。出来自体は昨年と同様ほどにある。

 

当週:坂路で単走追い。先週しっかり追われた上で、今週もしまいは軽く追われた。負荷自体は言うことはない。後は年齢に勝てているかどうか。

ピューロマジック【差しの予行練習】

1週前:坂路で単走追い。フットワーク良く走破した。前走勝利したアイビスSD時は今回同様に騎乗者の手は持ったままだったが、好時計をマークしてた。当時との比較で時計が出ていない点が気になる。

 

当週:ウッドコースで併せ馬。併入。先行馬の後ろでじっくりと我慢し、直線で開放して追い抜くメニューは前走同様。レースは昨年までの逃げではなく、前走の様な差しの競馬になるだろう。動き自体はもう少し突き抜けて欲しかったが。

ペアポルックス【まずまず仕上がる】

当週:坂路で単走追い。前進気勢もあり、脚の回転は良かった。しまいに仕掛けられて、時計は締まった。絶好調時はオーシャンSで、終始馬なりで調教は突き抜けた。そこまでの状態にはないが、まずまずは仕上がった。

ママコチャ【動きは十分】

当週:坂路で岩田望騎手が騎乗し、単走追い。間隔も詰まっていることから、仕上げる意識よりも状態をキープする内容。鞍上の手は持ったままだったが、動きは十分。今春高松宮記念くらいの出来にはある。

ヤマニンアルリフラ【調子抜群】

1週前:坂路で併せ馬。先着。1週前は仕掛けられてもじわじわと伸びることが多いが、今回は終始フットワークが良く、全体時計も速かった。調子は抜群か。

 

当週:坂路で併せ馬。先着。先行馬の先導ペースの影響で全体時計は遅かったが、しまいの伸びは鮮やか。状態は申し分ないと言える。

ヨシノイースター【まずまず】

当週:坂路で単走追い。しまいに仕掛けられる形で、全体時計もまずまず。夏場を使って前走との間隔も詰まっているため、本数が少ないのは大丈夫。2走前2着の北九州記念時は鞍上の手がほとんど動かないまま、しまいは好時計。当時よりは落ちるか。

ラッキースワイネス【調整重視】

当週:中山芝コースで単走追い。鞍上の手は終始動くことはなく、調整重視の内容。気分良く走破し、本番に備えた。

ルガル【文句なし】

1週前:坂路で併せ馬。川田騎手が騎乗。鞍上の手が動くことが終始なかったが、僚馬を楽に追い抜くと好時計。近走では一番の出来と言える内容だった。

 

当週:坂路で単走追い。鞍上の手は終始動くことがなく、リラックスして走ることが目的と考えられる。それでも、しまいは好時計をマーク。文句の付け所がない。

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スプリンターズS2025 全頭調教評価

ここでは出走予定馬の調教の動きをS、A、B、C、Dの5つで判定する。

Sが最高評価で、是が非でも買いたい。Aは好評価。買いたい。Bは悪くはない馬。抑えにありか。Cは状況を見て抑えたい馬。

同ランクの中でも、左から順に上位評価とする。

  • S:ルガル、サトノレーヴ
  • A:ヤマニンアルリフラ、ママコチャ、ナムラクレア、カピリナ、トウシンマカオ
  • B:ウインカーネリアン、ペアポルックス、カンチェンジュンガ、ラッキースワイネス
  • C:ジューンブレア、ピューロマジック、ダノンマッキンリー、ヨシノイースター、ドロップオブライト

阿部泰斉 Taisei Abe

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。法大を卒業後、スポーツ新聞社に就職。アマチュア野球、競馬の担当を経て2024年に退職。現在はお笑い芸人として日々鍛錬を積んでいる。新聞社時代、野球担当では高校までの野球部経験を活かして甲子園取材を経験。競馬担当では美浦トレーニングセンターでの日々の調教から、競馬場でのレース取材まで幅広く担当。結果を出す馬の特徴を研究した。