マックス・フェルスタッペン、ハンガリーGPで苦戦 「ワンストップの方がよかった」

浄見耕志 Koushi Kiyomi

Toby Coxon

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ハンガリーグランプリで9位に沈んだ4度の王者マックス・フェルスタッペンは、レッドブルの戦略に不満を示した。

マクラーレンが圧倒的な1-2フィニッシュを飾る中、フェルスタッペンはレースを振り返り、戦略ミスや依然として残るマシンパフォーマンスの問題を指摘。チームのツーストップ戦略に対しても、疑問を呈した。

グリップやバランスに苦しみ、厳しい週末を過ごしたフェルスタッペンは、中団での厳しい戦いを強いられた。ここ数年F1で圧倒的な強さを見せてきたドライバーにとっては、珍しい光景だった。

レース後、フェルスタッペンの苛立ちがひしひしと伝わってきた。彼は記者に対して次のように語った。

「オーバーテイクが非常に難しかったので、ワンストップの方がよかった」

レッドブルがフェルスタッペンに2回目のピットインを命じた判断は、レースを制したランド・ノリスらがワンストップ戦略で成功を収めたのに対し、大きな失策となった。

フェルスタッペンはこう説明した。

「スピードは…ただ笑ってしまうよ。2、3周はトップと同じラップタイムを刻んでいた。でも、何が悪かったのかは分かっていると思う」

「最初のピットストップではタイヤがもう限界で、2回目のピットストップでは抜けると思ったんだ。でも、数周見てわかったように、確かにスピードはあったけど、その後は失速してしまった」

レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコもフェルスタッペンの意見に賛同し、ワンストップなら5位か6位くらいの結果は期待できたかもしれないと話した。このことからも、問題は戦略だけでなく、マシン全体に課題があったことが分かる。

9位という結果は、現在のレッドブルの厳しい状況を改めて浮き彫りにした。勢いに乗るマクラーレンと比べても、その差は明らかだ。

ディフェンディングチャンピオンのフェルスタッペンは現在、チャンピオンシップリーダーのオスカー・ピアストリに97ポイントもの大差をつけられており、レッドブルの首脳陣でさえ、5年連続のタイトル獲得は「不可能」だと認める状況になっている。

F1がサマーブレイクに入る中、レッドブルはマシンの不調の原因を見極め、立て直しを図る必要がある。フェルスタッペンの発言からも、チームが早急に対処を迫られていることが伝わってくる。

原文:Max Verstappen's Hungarian misery: 'One stop would have been better'
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)

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浄見耕志 Koushi Kiyomi

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。東京生まれ・東京育ち。スポーツとの出会いは、幼少期に夢中で観戦した大相撲。以来、欧州サッカーやF1を中心に幅広く観戦し、競技そのものだけでなく、その背景や文化にも強い関心を持つ。映画や音楽をはじめカルチャー全般を日常的に吸収し、雑誌文化にも親しんでいる。

Toby Coxon

Toby joined The Sporting News in 2025 after completing a degree in Multimedia Sports Journalism. He has previous experience writing for online and print publications including VAVEL, Breaking Media and The Non-League Paper. He also has experience working within football clubs in previous roles at Curzon Ashton FC and Bradford City AFC.